ある村で1人の奇形児が産まれました
その子供は目が一つに
手足が無く、まるで芋虫のような子供でした
まだ村が一家のようにかたい結束で結ばれていた時代です
その奇形児は呪われた子供として
村の間で生かすか殺すかの議論になりました
その子供の両親や両親と親しいもの達はは当然生かす派、それ以外は殺す派でした
そしてその村一番の権利者はどちらにつくか決めかねていました
一週間悩んだ末、村長はその子供を生かす派になりました
その村での多数決の結果、村長の一票が村人10人分だったので、結局、子供は生かす事に決まりました
その奇形児の親は涙を流して喜び、芋虫の子供を育てました
それはそう、あの江戸川乱歩の芋虫のような状態です
ですが、それに不安をもったのが殺す派の村人の一部です
殺す派の一部は村人全体に呪いがかかるのを恐れ、その子供をその家に忍び込み深夜に殺しました
その殺し方も残酷なもので
首に杭を打ち込んで、木に貼り付けるというものでした
木に貼り付けられた子供は独自の供養の仕方をされたそうです
そして朝が来ました
無残な姿になった我が子を見て父親は木を殴りつけました
そして母親は笑っていました
それはそれは本当に楽しそうな笑いでした
誰の目にも母親の気が狂ってしまったのが分かりました
母親は木によじ登り、我が子を外すと
それを抱えて笑いながら村中を走りまわりました
赤ん坊の首は杭から引きちぎるかたちになっていて
とれかかっていました
村人はそんな母親を見て石を投げつけました
母親に奇形児の子供の呪いがふりかかったと誤解したのです
ある村人の石が母親に当たり、母親は動かなくなりました
それを見た父親も怒り狂い
木の棒をもって村人に襲いかかりました
ですが父親は複数の村人のリンチにあい死んでしまいました
村長はそれを見てせめて親子三人安らかに眠れと大きな墓を造りました
それで村は表面上は平和になりました
ですがそれから3日ほどたったある夜のことです
一つの影が村を這い回りました
その影は村人の家に一件ずつ入り、子供をさらいました
そう、それはあの奇形児の母親でした
あの奇形児の母親は気絶しただけで、生きていたのです
その作業の途中、気づいた村人は殺されました
母親は子供を集めた順に手足を大きな斧で切断し、片方の目を指で潰しました
そして手足の切断面に自分の着物の切れ端を巻いて止血しました
続きます
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話