短編1
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ついてる

小4の雨の日、クラスで女子5人が集まって

こっくりさんをやっていた。昼休みで

暇だった私は、自分の机からぼんやりと

その光景を眺めていた。

すると突然、

「全然ダメじゃん!」

そう言って、1人の女子が机の上から紙と

十円をはたき落とした。他の女子は慌てて

謝り始めた。

(確か“お帰りください”って言わないと

いけないんじゃ…)

5時間目になってもその子たちは授業に

集中できないようだった。

そして放課後、昇降口で傘を開いていると

後ろから人がやってきた。

(あ…あの子だ)

こっくりさんの時、キレた子だった。

(さっき1人だけ謝ってなかったし…

大丈夫かな…)

そんなことを思っている間に、その子は

傘を開いて行ってしまった。

ペタ

…ピチャピチャ…

「?」

その子が歩く度、雨とは違う音がする。

何の気なしに下を向いた私は、危うく

悲鳴をあげそうになるのをこらえた。

校門の泥のところには、あの子の足跡と、

無数の動物の足跡がついていた。

怖い話投稿:ホラーテラー 翔さん  

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