短編2
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猿の死体

正直文章にすると怖さが激減すると思いますが、私自身これを思い出すとむちゃ怖いんで書きます。

私が中2の頃です。私は家から中学までおよそ7kmの道のりを毎日自転車で通学していました。

私の住む地域自体が大自然のド真ん中なので、通学路も8割ほど外灯もない林道でした。

普段は近所の幼なじみのK君と登下校していました。

ある日の夕方、私はK君と下校していました。この日は同じ地区のS先輩も途中で合流し、仲良く語りながら自転車を走らせていました。

日もすっかり暮れ、薄暗い林道を3人走っていくと、前方に何か黒い塊が落ちているのに気付きました。

K君が先に行きました。

自転車を止めたK君は黒い塊を覗きこみ言いました。

「うわコレ死体だぜ?」

私は気持ち悪くてS先輩を先に行かせました。

「‥これ猿だな。しかもかなり腐ってるし」

どうやら野生の猿の腐乱死体のようです。

「てか朝無かったよな?」

「熊とか犬が引きずってきたんじゃねえ?」

2人は面白がって木の枝で死体をつついたりひっくり返したりしました。

「あ‥腕とれた!」

するとS先輩が千切れた骨と皮だけの腕を長い枝に刺しました。

嫌な予感‥

「今から10秒以内に逃げろよ!」

そう言ってS先輩は急にカウントダウンを始めました。

「S先輩ぜってー追いかけてくるぞ!逃げようぜ」

K君は楽しげに言いました。私は気持ち悪くてそんな気の余裕はありませんでした。

自転車を急いで走らせ、K君と逃げました。

「2‥1‥スタート!」

相変わらずK君は楽しんでいますが、私はもう絶叫しながら必死で逃げました。

ようやく大通りに出た時、すでにS先輩の手に猿の腕はありませんでした。

「S先輩アレは?」

「何気重いから近くに捨てたよ」

私は一安心し、3人仲良く家路につきました。ちなみに私の家は大通りから更に1kmほど上った所にあり、家の向かいには平屋の廃墟があります。

翌日、私は朝から絶句しました。

「何でここにあんの‥」

昨日S先輩が捨ててきたはずの猿の腕が、向かいの廃墟の割れた窓ガラスからブラーンと垂れていたのです。

「おはよ」

待ち合わせていたK君が自転車で下ってきましたが、私はそれどころではありませんでした。

後日S先輩らが調べたら廃墟に住み着いた野良猫の仕業だったことがわかりました‥。

これ本当に怖かったんです。朝から‥笑

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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