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短編1
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ノート

僕が中学生の頃の話。

クラスで隣の席の女の子が、筆圧が強いらしく、よくシャーペンの芯を折っていました。

ある日の授業中、いつもの様に隣から

「パキッ」

と言う音が聞こえてきます。何度も。

その音を聞きながら、授業も終わりに近付いてきた時、隣から「ズボッ」

と言う音が聞こえました。

僕がその子の方を見ると、その子は驚いた表情で、ノートを取る手を止めていました。

そのノートを見ると、「穴」があいていました。

その「穴」があいたノートは、完全に広げられ、ピッタリと机の上に置いてありました。

つまり──

あくはずのない「穴」なのです。

僕はその「穴」の中を覗きました。

ノートのページは、穴があくと普通なら次のページが見えますが、その「穴」から見えたのは、真っ黒などこまでも続くような闇でした。

その子は確かめる様にページをめくりました。

しかし、表にあいた「穴」は、裏には繋がっていませんでした。

その子は驚いた表情のまま僕の方を見ました。

そして、その「穴」のあいたページを破り、クシャクシャに丸めました。

その子は泣きそうな表情で僕を見つめました。

あの「穴」は、一体何処に繋がっていたのでしょうか。いまだに彼女のあの表情が忘れられません。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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