…「終わらない恐怖4」の続きです。
…血生臭い…
…ここはどこ?
…暗い…
…息苦しい…
…あの隙間から光が見える…
…え?
…この部屋…
…わたしの…部屋…?
…わたしが見える…
…起きなきゃ…
…ダメだ…
…お…ねぇ…ちゃん…
…お姉ちゃん!
毎晩ここで、彼女は目を覚ましていたそうです。
繰り返す悪夢は、彼女の部屋のベッドの下から始まり…
…彼女が視界に入った所で中断されました。
しかし、恐怖は確実に近づいていました。
悪夢から覚めるタイミングが、徐々に遅くなっていたのです。
…恐怖のあまり、ここ数日間は寝ていない…
…話は事務所に戻ります。
僕「…深刻だね」
姉「…はい」
…話を聞いていると、事務所の中に「血生臭い」空気が漂ってきました。
…僕は自分の心臓が高鳴っていくのを感じていました。
…全身に鳥肌がたちます。
女性スタッフ「すいません!時間なんで帰りたいんすけど!」
姉「…あ!すいません!タイムカード押してきます!」
…彼女は立ち上がり、事務所を出て行きました。
彼女が僕に背を向けた…
…その時!
僕は見てしまいました…
彼女の後ろに着いていく…
頭がスイカの様に割れた…
血で真っ赤な女子高生を…
その腕には…
血だらけの赤ちゃんが…
…!
あまりの衝撃に、僕は吐き気を感じました。
しかし、脳裏にある疑問も浮かびました。
(今の霊…制服だったな)
彼女と入れ代わりで、夕方までの勤務を終えた女性スタッフが、事務所に入って来ました。
僕「お疲れ様!」
女性スタッフ「店長…」
僕「…ん?」
女性スタッフ「さっき何を話してたんですか?」
僕「いや、家族事の相談だよ」
女性スタッフ「…家族?」
僕「うん、妹さんの話。君の悪口じゃないよ」
女性スタッフ「…」
…彼女は険しい表情で、口を開きました。
女性スタッフ「店長…あの」
…女性スタッフの話です。
わたしはあの人の妹と、同級生でした。
友達ってわけでもなくて、クラスも違います。
あの人も同じ女子高で一コ上だったんです。
妹は妊娠し、両親が中絶させた事は有名でした。
それが原因で、悲惨なイジメに遇った妹は、学校の屋上から飛び降り自殺しています。
それから学校で呪いの話が流行りました。
それを広めたのが、自殺した妹の姉です。
逆にそれが怖くて、呪いの話は大流行してました。
…え?呪いで死んだ人?
なんか…家出だと思いますけど、行方不明になった人は何人かいましたよ。
…あ!一人いたかも!
妹の親友で〇ちゃんって子が、自殺してますよ。
…?
僕「〇ちゃんって妹の名前じゃ…?」
女性スタッフ「妹の名前は…確かAちゃんですよ」
…!
目の前が、ぐにゃりと歪んでいきました。
女性スタッフ「あの人…ちょっと可哀相な人なんです。妹を亡くしてしまってから…この時期だけは少しおかしくなるんです。」
僕「…この時期?」
女性スタッフ「…妹の命日が近いんです。」
…事務所の「血生臭い」空気は更に重くなりました。
…。
僕は気分転換をする為に
近くのハンバーガーショップに行きました。
…色んな考えが頭を巡ります。
…姉は死んだ妹の復讐をする為に、呪いの話を?
…それとも死んだ妹が、姉にとり憑いて復讐を?
…どこまでが本当の話だったんだ。
…姉がおかしくなったのか?
…それとも半分、妹なのか?
様々な考えが、僕の頭を巡りましたが…
答えはでませんでした…
…うっそー
…こわーい
女子高生3人の話し声が聞こえてきました。
…これ「赤ちゃんの呪い」って言うんだって〜!
僕(気分転換する場所を間違えたな…)
…不快感を感じながら、ふと窓の外に目を向けました。
…!
そこには…
ゆっくりと近づいて来る…
頭が砕けた女子高生と
赤ちゃんの霊がいました…
最後まで、読んで頂きありがとうございました。
怖い話投稿:ホラーテラー 店長さん
作者怖話