続く?と書いたらお叱りを受けました。申し訳ないです。とりあえず続きを書きました。ただ、短時間で仕上げたのと、何分昔のことを思い出しながら書いているので文章が変かもしれません。
よろしかったら続きをどうぞ。
せっかくドアの顔は消えたのに、それからも自分の状況は全く好転しなかった。
喘息は収まらず、学校へも行けず…
だんだんと喘息の症状も悪化し、夜は一睡もできない日も続いた。
自分の喘息の呼吸音が老婆の笑い声のように聞こえ、息をすることすら怖い日も幾度となくあった。
そんなある夜、夜中の3時を過ぎたころだろうか。
突然自分の部屋の窓のすぐ外から
「うぎゃぁぁぁぁぁ!うぎゃぁぁぁぁ!!」
と赤子の泣き声がこだました。初めての現象に言葉が出ない。
あまりの大きな声ともともとの苦しさで寝ることもできず、
息苦しい中ただ布団に潜り込むことしかできない。
朝が来れば大丈夫!と言い聞かせてはみるものの
夜中の3時…まだまだ日は昇らない。
赤子の泣き声は止まない、止まないどころか気がつくと声の数が増えている。
布団にもぐっていることすら恐怖に感じ、背中を壁につけた状態でただ窓を凝視していた。
……
………
眠れない日の疲れが溜まっていたのだろう、次に気がついたときはもう朝で
声も全く聞こえなくなっていた。
苦しい体を起こし、リビングへ向かい昨夜のことを祖母に話す。
すると、思いがけない答えが返ってきた。
「わたしは気付かなかったけどなぁ…たぶん猫のサカリじゃないのかい?」
…猫のサカリ?猫はサカリのとき赤子の泣き声みたいな声を出すの?
小4でそれを知らなかった自分には、サカリの声すら禍々しい何かの声に聞こえていたのだ。ただ、自分にしか聞こえなかったということだけはどこか引っかかっていたのだが、時間も時間だったしそういうものだろうと考えて、それ以上は考えないようにした。
それから数日し、喘息はもっと悪化してしまった。
もう起き上がることもできない。
そんな状態の自分の部屋に、突然母親がすごい形相で入ってきた。
普段は冷静な母親が明らかに半狂乱で顔つきもおかしい…
なんなんだろうと思っているとベッドで寝ている自分の上にいきなり馬乗りになり
「なんであんたはずっと喘息なの?!あんたは喘息じゃないのよ!!いい加減にしなさい!!」
と引っ叩き始めた。
もうわけがわからず、号泣している母親と苦しさとその状況で頭が真っ白な自分。
たぶん、今までの人生で一番めちゃくちゃな状況だったと思う。
そのあとどうやって落ち着いたのかはさすがに覚えていない。
数日して、少し喘息から回復した自分は、思い切って親に話をしてみた。
・あまりにも体調がすぐれない
・この家に来てからおかしい
・この家自体もおかしい気がする
もともと第六感が強いらしい母親なら分かってくれると思い、一生懸命話した。
でも、返ってきた答えはとても空しいものだった。
「気のせいよ」そう笑って流す母親に、どうしようもないほど落胆した。
こうなってはどうしようもない。とりあえずこの部屋で暮らしていくしかない。
じめっとした自分の部屋も、ドアの顔も、体調も全て受け入れるしかない。
逃げられない状況にそう考えることにして、ただ辛いだけの毎日を過ごしていた。
それから2年ほど経った。その間は特に大きな問題も起こらず、
喘息もどうにか落ち着いて、また進学等で環境も変わったので何も気にしなくなっていた。
そんなある日、何かの都合で一番奥の、あの顔のあるドアの部屋で寝ることになる。
引っ越した当時は祖母が寝ていた部屋だが、生活に合わせて寝る部屋が変わり、ずっと物置同然の部屋となっていた。
ただ、このときはもう自分の中でもドアの顔に対する恐怖心も消えており、
全く気にせず夜をその部屋で過ごした。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話