僕の仕事場は山の中にある。通勤途中ふと左の方を見ると上っていった所に広場が見えた。
あれ?あんな所に広場なんてあったんだ。
仕事が終わったのは夜中の2時。明日(今日)は念願の土曜日(休日)だ。自然とテンションがあがる。
そうだ、あの広場に行ってみよう。
普段は寄り道はしないから仕事場までの道しかわからず山の中というのもあり右往左往しながらやっとの思いで広場に着いた。
そこは野球が出来るぐらい大きな広場だった。
こんなに広かったら友達とサッカーとか野球とか色々出来るな。
なんだか得したような気分になりしばらく周りを散歩した後ベンチがあったのでそこに座りタバコを吸いながら一服していた。
三本目を吸い終わった頃だろうか。どこからか歌が聞こえる。
テンテンテケテケテンテンテン♪テンテンテケテケテンテンテン♪かごやを抜ける子どの子かや♪かごやを抜ける子いけない子♪テンテンテケテケテンテンテン♪テンテンテケテケテンテンテン♪
ふと広場の中央の方を見ると小さい女の子が鞠をつきながら遊んでいた。
テンテンテケテケテンテンテン♪テンテンテケテケテンテンテン♪かごやを抜ける子どの子かや♪かごやを抜ける子お仕置きだ♪テンテンテケテケテンテンテン♪テンテンテケテケテンテンテン♪
ビクッとしたが明日が休日の僕はそれぐらいでは動じない。そのまましばらくその様子を眺めていた。
しばらくすると歌っていた女の子はこっちに寄ってきて鞠を差し出しこう言った。
遊んで♪?
小学生低学年ぐらいだろうか?髪がボサボサで服もボロボロだ。靴も履いていない。そしてその子には両目がなかった。
だが明日が休日の僕はそれぐらいでは動じない。
いいよ。遊ぼう。
30分ぐらいだろうか。暗くてあまり見えなかったけどその女の子と一緒に鞠で遊んだ。
あっもう行かなきゃ…
女の子はそう言うと後ろを振り向き奥の森の方へ走っていく。
するとクルッと後ろを振り返り
お兄ちゃん、ありがとっ♪
またあの歌を歌いながらそのままスッと消えていった。
僕はふと空を見上げた。とてもとても星空がきれいな夜だった。
僕は妹萌えになった。
あの日以来(てか今日も)何度か足を運んだけどあの子にはあれ以来会っていない。
怖い話投稿:ホラーテラー 鍋焼きうどんさん
作者怖話