短編2
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稲川淳二風

電車を降りるじゃないですか?

その時にね電車と駅のホームに隙間がありますよね?避難用の

その避難用の隙間にちょーどね、上半身だけの女性が座ってるんですよお腹で。

で、僕はね電車を降りる時はね乗る人となるべく目を合わせたくないんですよ。

ですからいつも通りに下を向いて降りたのがいけなかったんですね〜はい。

その日に限って見えるんですね〜

電車と駅のホームにいるこの世にいちゃいけない者と目が合っちゃったんですね〜。

「あっ!」て声を出しちゃったんですね〜。

あ、これは憑いて来るなと思ったんですね〜はい。

ですがその日は会社の同僚と飲み会をしてましてね〜うっかり忘れてましてね(こりゃしっけ!

ですがね〜帰りの電車で思い出すんですよ。

あ〜怖いなぁ怖いなぁ、でも次で降りないと電車ないしな〜。

そこはやはり我慢して降りるんですよ〜、今度は前を向いてね。

ですがね、おかしいんですよ。

外が暗くてガラスが鏡みたくなりますよね?

でね反射して僕の背後に女性が立ってるんですよ。

アレ?この車両にいたの僕だけだったよな〜と思いながらまた今朝の事を鮮明に思い出すんですよ。

ちょうど思い出したところで電車を降りたんです

怖くてね〜後ろ振り返るか迷ってたんですね〜、そしたら

さっき後ろに居た女性が先に歩いて行くんですよ、いやぁ〜ホットしましたね〜。

ん?でもおかしいな〜ハイヒールだったよな〜?

足音聞いてないな〜

て、考えてる間に女性がいないんですよ。

まだ駅の階段まで距離があってね〜足が重いんですよ〜足首を掴まれてる感覚がするんですよ〜はい。

それでね〜下向いたら今朝みた上半身だけの女性が掴んでるんですね〜引っ張るんですね〜すごい力で

そしたら反対側から来た最終電車がきちゃったんです。

えぇ、そのまま持ってかれましたよ…死にました僕は電車の車輪とレールに挟まれ一つの体がまっぷたつ。

でもね、今幸せなんだな〜今はない下半身を掴んでる引っ張った人が奥さんになりました。

めでたしめでたし

怖い話投稿:ホラーテラー るーさんさん  

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