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短編2
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ホームのベンチ

ホームにプラスチックの椅子が連なったベンチってありますよね?

ウチの近くに、今は誰も住んでない駅員寮があるんですが、近くの駅の改修工事の為に、撤去されたそのベンチが運ばれてきました。

廃棄処分にするのか、玄関前にずらっと並べられていて、野ざらしになっています。

昨日の深夜、雪が降り出したなぁ…と、窓の外を何気なく見たんですが、誰かベンチに座っているんですよ。

目を凝らして見ると、新聞を読むサラリーマンや、キョロキョロと辺りを見る女性、ケータイを見ている中学生(見慣れた制服なので)、足元に手提げを置いた腰の曲がったお婆さんなどが、ぽつりぽつりと数人座っています。

明らかにこの世の人ではないのですが、怖くはありませんでした。

いままでにも、物の記憶が見えたり聞こえたりした事があるので、ベンチが見てきた電車を待つ人達かな…と、微笑ましく思いました。

夜が明け、窓の外を見るとベンチに雪が積もっていました。

が、不自然に雪の積もっていないベンチも数個あります。

ああ、昨日の人達が座ってたからか…と、妙に納得しながら、仕事にでました。

仕事中も雪は降り続け、帰る頃にやっと止みました。

何気なくベンチを見に行くと、朝よりも雪に埋もれてました。が、やはり雪一つ積もっていないベンチが…

ということは、見えないだけで、いまも座り続けている者が居る…

怖くはないですが、実際に体験した不思議な話でした。

怖い話投稿:ホラーテラー てくてくさん  

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