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短編2
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雪女B

「あれはもう、何年も前のことだ…」

男は、目の前にいる女に話していた。

昔に体験した、雪山での体験を……

友人と二人で登山していたのだが、途中で天候が突然悪化してしまった。

たまたま近くにあった山小屋に入り、二人はホッと一息ついていた。

天候が良くなるまでは、その山小屋にとどまることにした。

夜になり、仮眠をとっていた男は顔に当たる雪と冷風の感触で目を覚ました。

となりを見ると、そこには凍り漬けになった友人の姿…

そして目の前には、白い着物を身に纏った女が立っていたのだった。

震え上がり声も出せない男に、その女は言った。

今この場で見たものは今後絶対に口に出すな。

もし話すような事があれば、命はないと思え…と。

……男が一通り話し終えると、女は悲しいような表情をして言う。

「とうとう、話してしまったわね…」

そう言うと、女は男の前から去ろうとする。

「残念だけど、もう一緒にはいれない…でも、命だけは助けてあげる。あなたの事、嫌いじゃなかったから」

そう言って出ていこうとする女を、男は引き止めた。

「待ってくれよ。約束は守れなかったけれど…俺はお前の事が心から好きなんだ。隠し事なんてない、通じあえるような二人になりたいんだ!」

女は、一瞬驚いたような…だが嬉しそうな表情をして、男に抱きつく。

「あなた…!私も、あなたとずっと一緒にいたいわ…」

そして二人は、ベッドの上で交わり合った…

「はーい、時間終了でーす」

仕事を終えた女は素の表情に戻って言った。

「もう終わりか…」

男は時計を見ながら残念そうに呟く。

「しかし…雪女プレイだなんて、ホント変な人よね」

雪女のコスプレをさせられた風俗嬢は、呆れたような目で男に言う。

その目は、凍えるような冷たい視線を男に浴びせていた。

怖い話投稿:ホラーテラー geniusさん  

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