いつも皆様の投稿を読ませて頂いてます。
初投稿します。
不馴れなものなので読みにくかったり、
実際に何か見た訳でもなく、皆様のお話と比べると大変ショボい話ですが、
温かい目で読んで下さったら嬉しいです!
私が小さい頃住んでたマンションの裏には森があった。
私はよく中で遊んでいたが、突然その森は立入禁止になった。
有刺鉄線付きの柵が囲い、誰も森に入れなくなったのだ。
何か事情があるらしいが、親に聞いてもよく教えてくれなかったし、未だに私は知らない。
当時、私は弟と一緒の部屋で寝てた。
確か私は小4で弟は4歳だった。
その部屋は両親の寝る部屋とは別になってた。
いつも弟は寝る前に部屋の窓から外を眺めていた。
その窓からは、例の森がよく見えた。
ある晩、私は眠っていたのだが、夜中に不意に目が覚めてしまった。
一緒に寝てた弟を探すと、弟は起きて窓を開け、熱心に外を眺めている最中だった。
(いつも弟は夜ぐっすり寝てるのに)
と思ったが、私は眠かったのでまた眠ろうとして目を閉じた。
私は目を瞑りながら、「早く寝なよ」と弟に声をかけた。
すると弟が言った。
「森に蛍がいる」
最初、(あの森に蛍なんかいたのか!)と私は素直に驚いた。
しかし、
(あれ?蛍って水辺にいるんじゃなかったっけ?)
とすぐ疑問に思った。
あの森には小川や池等水辺は一切なかった。この時点で何となく怖くなってきたが、窓の方に自分で確かめに行く気にはなれない…。
布団の中で不安になってきた私を尻目に弟ははしゃぎ続ける。
「ピロピロしてて大きいよ」
「赤いのと青いのがきれい」
「いっぱいいる」
「飛ぶの早いなぁ」
「何か喋ってるけどよく聞こえないよぉ…」
ピロピロとは、光が尾を引いて飛んでいるという事らしい。
本当に蛍?
赤や青?
蛍の光にそんな色ある?
おまけに布団の中の私には何も聞こえないが、何か喋ってるって、それ蛍じゃないだろ!しかも沢山…。
人がライトか何かを振り回しているのではないかとも思った。
だが夜中の森に人が沢山いるとは考え難いし、有刺鉄線があるので、簡単には森に入れないはず…。
動物もあの森にはいないはず。
少なくとも沢山はいない。
ひょっとしてオバケ?
弟の言葉に私は怖くなり、すっかり目が覚めた。
すると弟が興奮気味に叫んだ。
「あっこっち飛んできた!すごく早い!」
私は死に物狂いで弟に窓を閉めさせた。
怖い話投稿:ホラーテラー 下毛和牛さん
作者怖話