5年前私はマンションで一人暮らしをしていた。
13階建の7階に住んでいた。
引っ越しして3日目の朝方
ごん!!!!
鈍い音が外から聞こえてきた。
何か落ちたのかなと思いながら見に行くと、若い女性が横たわっていた。
直ぐに救急車を呼んだが、即死だったそうだ。
私は嫌なものを見てしまったなと思いながらも、普通に生活をしていた。
飛び降りから1ヶ月たったある日、仕事から帰宅して疲労のため風呂も入らずに寝てしまった。
ふと目を覚ますとすでに外は明るくなっていた。
と、その時。
ごん!!!
あの日と全く同じ音が聞こえてきた。
私は、まさかと思いながらも外に行った。
しかし変わった様子がない。
空耳だと自分に言い聞かせ、家に戻った。
しかし次の日も同じ事が起こり、そんな事が1週間続いた。私は恐怖でストレスがたまっていた。
頭がぼんやりして仕事もはかどらず、会社の上司から顔色が悪い、風邪でも引いたのか?今日は早く帰れ!!と言われ私は仕事を早退して家に帰り直ぐに布団に入った。
何回か目が覚めたが、ご飯もろくに食えず、ずっと布団に入っていた。
その日は夜中2時ぐらいだっただろうか。
ごん!!!
凄まじい音が鳴った。私は恐怖で布団を被った。しかしその日はいつもと違っていた。
1階から階段で上がってくる足音が聞こえてくる。普通は聞こえるはずないのに何故か聞こえてくる。
ヒタヒタヒタヒタヒタヒタ
裸足で歩いているのだろうか。
ヒタヒタヒタヒタヒタヒタ
1階、2階、3階、4階、5階、6階、次は私の家の階だ。
たのむ通り過ぎてくれ!!
私は心の中で叫んだ。
しかし私の心とは裏腹に7階の廊下を私の家に向かって歩いてくる。
ヒタヒタ ヒタヒタ
私は恐怖で涙していた。
とうとう家の前に来た。
コンコンコン。
すいません。
おーい。
ただいま。
おーい。
すいません。
ただいま。
おーい。
気持ち悪い機械みたいな声で繰り返し言葉を発している。
明らかに生きている人間では無い。
助けて助けて助けて。
呪文の様に唱えていた。その時、私の家にある両親の仏壇の方から、お経らしき声が聞こえてきた。
その瞬間ドアの向こうから凄い大きな声で叫び声が聞こえてきた。
ギィヤーー!!
その瞬間から、気配が消え、お経の声も聞こえなくなった。
あの時両親が助けてくれたのかなと心から感謝した。
落ち無く、怖くなくすいません。
怖い話投稿:ホラーテラー 槇原のんさん
作者怖話