この話は実体験です。
拙い文章で怖さも伝わりにくいとは思いますが、最後まで読んでいただけたら幸いです。
皆さんも一度は『サンタクロース』の正体を探ろうとしたことはないだろうか?
小学生の頃の私も例外ではなく、必ずこの目で見てやると意気込んでいた。
「はやく寝なさい」という母の「はーい」と答え、寝たふりをした。
仰向けのまま布団の中でじっとしていると、急に空気が重くなったのを覚えている。すると
『ギシッ』
という廊下の軋む音が聞こえ、私ははやる気持ちを抑えながら薄目を開けた。
『キイィ』
とドアが開き、『それ』が顔を覗かせた瞬間、私の好奇心は跡形もなく消え去った。
『それ』は女性だった。
だた顔はお多福のような目で、肌は異常に白く、口は頬まで裂け、この世の者ではないことが即座に理解できるほど笑っていた。
恐怖心が全身を支配したあと、『それ』はゆっくり部屋に入ってきた。
2mほどの巨体に黒い着物を引きずりながら、私たち兄弟の足元を数往復すると、『それ』はゆっくりと部屋を出て行き、私はやっと呼吸らしい呼吸をした。
「なんだったんだ」と思いつつも、脅威が去ったとホッと胸を撫で下ろし、顔を正面に向けた。
『それ』の顔が天井に張りつき、こちらを見て大口を開いて笑っていた。
気が付くと朝を迎えていた。
枕元にはSDの武者ガンダムのプラモデルが置いてあった。
夢だったのかなと思いつつも、母に「昨日の夜俺たちの部屋に入った?」と聞くと、
「入ってないわよ。サンタクロースが来たんじゃない?」
と微笑んでいた。
怖い話投稿:ホラーテラー ふぇさん
作者怖話