「さよう、わしが神主だ。」
「行きなりだけど、呪い代行を頼む!」
高輪は深々と頭を下げた。
「なぜじゃ?」
神主は口ヒゲを触りながら聞いた。
「なぜって、それは恨んでいるやつがいるからです。」
「どのように恨んでおる?」
高輪は声を荒げた。
「職場で、人の手柄を自分の物して、自分が悪いのに人のせいにして、そのせいで親友は会社を辞めさせられ、親友は自殺…もう許せないんだ!」
「どうかお願いします。」
「嫌じゃ。」
「は?」
「だからそんなアホくさい理由で呪いをかけるなどバカバカしいと言っておるんじゃ。」
高輪はまた声を荒げて
「ふざけんな!何がアホくさいんだ!チキショー!」
「やれやれ」
神主はため息をつき一呼吸おいて、話し出した。
「十年くらい前におぬしのような奴がいてそいつも同じような理由で呪い代行を頼んできたんじゃ、わしは仕方なく呪いを掛けた…そして呪いが掛かった奴は数日後…死んだ…初めは喜んでおったしかし…」
神主はここで言葉に詰まった。
「神主さんどうしたんだ?」
「すまん、そして呪い代行を依頼したやつは悩んだ」
(ホントに殺しを依頼してよかったのか?呪う程の奴だったのか?)
「そして悩んだ末に自殺」
「死んだ後はわしにも…………………………………わからん」
高輪は死んだ後の事もこの神主は知ってる、と思ったが聞かなかった…
「それでもやるのか…呪いを…」
「あぁ…」
呟くように答えた。
「わかった。」
神主はそれ以上なにも言わなかった。
「まずわしが呪いについて説明しよう。」
「わしは呪いと言っても、神社などでやる藁人形で釘を打つなどの事はしない…」
「じゃあ何をするんだ?」
高輪は首を傾げて聞く
「黒魔術じゃ!」
「黒魔術?漫画でよくあるやつか?」
神主は得意そうに咳ばらいをした。
「そうじゃ悪魔や天使と契約して、そいつらに頼む術じゃ。」
「悪魔と天使?」
(どっちがいいんだ?)
高輪は心の中で呟いた。
「そうじゃ悪魔と天使じゃまぁだいたいはわかるじゃろ?」
「まぁだいたいわ。」
「じゃあどちらと契約したい?」
(え?どっちがいいんだ?悪魔の方が効果ありそうだけど、行きなり殺されそうだし…じゃあ天使?なんか殺すのためらって何も起こらなそうだし…)
「どっちがいいんじゃ?」
「え?ちょっと待った後5分だけ!」
「後5分だけじゃぞ!」
(どっちがいいんだ?悪魔?天使?神主に聞くか?聞く?聞こう!)
「あっ一つ忘れておったが、悪魔と天使についてはわしは何も言わんからな!」
(え?まじかよ!)
神主が時計を見て
「後20秒」
(くっそうこうなったら…)
「悪魔!」
「悪魔でよろしく頼む!」
神主は少し笑みを浮かべ
「わかった悪魔の部屋に今から行く、ついて来い」
俺は正直ヤバイと思ったが行くしか無い!とも思った。
~悪魔の部屋入口~
続きます。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話