バイト帰りの話。
バイトが終わり、その日はいつもと違う道を歩き、当時住んでいた下宿へ向かった。
狭く、灯りが薄暗い中道を通る人は少ない。GW明けというのもあるだろう。
そんな事を考えていたと思う。
お客さーん!
遠くから声がする。
客と店のやり取りだろうか。
お客さーん!
お客さーん。
声が徐々に近づいてくる。
俺のことかな?
振り返るが、誰もいない。
1本向こうの、本通りでの話が聞こえてるんだろう。
再び歩こうとした。
おきゃーくさん!
と、後ろから肩をポンと叩かれた。
不意を突かれ多少ドキッとしたが、仕事柄よく呼び子には声をかけられるので、このような対処には慣れていた。
すいません。私○○で働い…
振り返り様に話したが、途中で止めた。
辺りを見渡しても誰1人いないからだ。
数歩進み、これはおかしい。と思い
もう一度振り返ろうとした時。
肩をガッと掴まれ、無理矢理後ろを向かされた。
おーきゃーくさん。
全身、赤黒く焼けただれた半裸の女性がそこにいた。
髪は縮れ、目はあるのか無いのか分からない程、窪んでいた。
私は、「う゛ぉ!」とか奇妙な声を上げ、その場から逃げ出した。
私はパニック状態で走ると、真っ直ぐしか走れないということが分かった。
しばらく走ると、まだ営業している立駐を見つけ、急いで駆け込んだ。
小部屋に居るオジサンに、しどろもどろ事情を説明すると、納得した様子で部屋に入れてくれた。
結局、営業終了までお世話になり、そこからタクシーで帰る事にした。
明け方、オジサンとの別れ際に、上着はクリーニングに出せ。と言われた。
下宿に帰ってから、スーツの上着を見ると、両肩に茶色い油のような手形がベットリついていた。
その2日後、私はバイト代で安物のスーツと、気持ちばかりの花を準備して、バイト先へ向かった。
最後まで読んで頂きありがとうございます。
乱文申し訳ございません。
内容の不可解な部分に関しては、どうかご容赦願います。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話