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中編3
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小鬼の物語

2月3日、節分。

俺は節分とか興味が無かった。

ただ豆まいて豆を食うだけの行事じゃねぇか

って感じだった。

だから俺は自分の部屋で漫画を一人寂しく読んでいた。

―すると―…

『てやんでい!

世の中にゃあ、こんないい人間がいるってのに他の人間はどうなってんだコンチクショー!!』

俺:「!?!?!? 誰だ!?!?」

『誰たぁ、随分

偉そうな小僧だな!!』

いきなり部屋の押し入れの戸が開いた

―ガラッ―

俺:「……、なんだよ…だれもいねぇじゃねぇか…」

『てやんでい!!

ここでぃ!!しっかり見やがれ、チンチクリンが!!!』

!?!?

よく見たら居たのだ…

下の方に…

ちょこんと…

かなり小さい男の子だ

手のひらに乗るくらいのサイズだった。

頭にはまだはえかけの角があり、真っ赤な体に虎柄の腰巻き…

俺:「…鬼?」

『バーロー!!

俺はまだ小鬼だっつんだチンチクリンめ!!』

(…鬼も小鬼もかわんねぇだろ…

つか俺クラスではチビですけどあなたよりかはチンチクリンじゃないと思います…)

といってやろうと思ったのだが雰囲気的に勝てないので

俺:「スミマセン…」

と謝った。

『俺のことは小鬼でいいからよ あ、茶だせ!茶!俺は客だぜ?』

(客ってお前が勝手にきたんだろう、適当に江戸っ子しやがって…)

としぶしぶお茶を湯のみに入れてだした

『バーロー!!こんなデケェ器に淹れたら飲めねぇだろ!!

俺がちっせぇからなめてんのかコンチクショー!』

(……

コノガキャ…)

今度は親父のおちょこに入れて持ってきてやった

『よぉし、こいつでいんだバーロー!』

―ゴクッ―

『あーちゃちゃちゃちゃっっ、あっちぃなこのやろう!

こんな熱いの飲めねぇよこのアンポンタンが!!』

(……)

俺:「いい加減にしろ何様だよ何しに来たんだよ!?」

つい怒鳴ってしまった。

『―…くすん』

『くすん、わ、悪かったな…じゃあ俺…か、帰るよ、悪いな、俺はただ話を聞いてもらおうとしただけなんだがな…』

泣かしてしまった、

相手が鬼でもさすがに罪悪感が残る。

俺:「悪い…、俺でよければ‥話聞くけど…?」

『よぉーし!!じゃあそこに座れ!!』

(……開き直りやがった)

俺:「…何話って?」

『じつはな、節分を消して欲しいんだ。

あ、何も毎年じゃねぇ!今年だけでいいんだ!!頼む!!』

はっ!?!?

いや俺的には別にどうでもいいから消えてもいいがそれは国の問題だからどうすることもできない…

そう伝えると

『じゃあこの家だけ!!このいえだけ今年の節分を消してほしい!!』

まぁそれなら…と

伝えるとまた泣き出した

俺:「おい、泣くな…」

『うぉーー!!

嬉しいぞ人間!!』

俺:「…え??」

『小鬼の俺の話を受け入れてくれるなんて!

どこの家に行っても、受け入れてくれなかったのにお前は受け入れてくれた!!

嬉しいよ!!』

もう江戸っ子口調は無かった

『じゃあ頼むぞ

よろしくな!!

あばよ!』

そう言って俺の部屋の押し入れに消えていった

俺は早速家中の豆を燃やした。

カレンダーの2月3日のところを塗りつぶした。

(よしこれでいいだろう)

2月4日

朝起きると紙が一枚おいてあった

オメェが節分しなかったから俺は立派な鬼になれた!!ありがとな!

とかかれていましたとさ

怖い話投稿:ホラーテラー †ひな太†さん  

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