少女は道を歩いてる。
知らない道を歩いてる。
途中で出会ったおばさんに尋ねた。
少女「ここは何処ですか?」
おばさん「私は少し寂しいねぇ。あの子はいつも優しいのよ。」
少女は道を歩いてる。
夕暮れの道を歩いてる。
途中で出会った青年に尋ねた。
少女「うちに帰りたいけど道がわからないの。」
青年「僕はあの子の月にしかなれないんだ。まわりをクルクル回るだけで、決して近づく事はできないんだよ。」
少女は道を歩いてる。
まっすぐな道を歩いてる。
途中で出会ったおじいさんに尋ねた。
少女「この先には何があるの?」
おじいさん「悲しみの形は人それぞれ。あの子がそれに気付くといいけど。」
少女は道を歩いてる。
少女はこの道を知ってる。
少女は涙を流してつぶやいた。
少女「そうだったんだ…。」
怖い話投稿:ホラーテラー 美和ちゃんさん
作者怖話