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短編2
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続・もうやめて

葬式やらが終わり両親も帰ってきて数日が過ぎ、私達家族は一人の親戚に会いに行きました。

父の妹なんですが出産を控えていて病院に入院したので、青森には一人行くことが出来ませんでした。

個室に入り皆でベッドを囲むよう立ち、父が青森で起こった事や曾祖母の事を丁寧にこと細かく話し始めました。

普通あれだけの事を聞かされれば少しはビックリするものですが、おばさんは至って冷静でした。

一通り聞きおわるとおばさんは喋り始めました。

「…兄さん達が青森行った日、おばあちゃんや叔父さんが亡くなった日は〇日の〇曜日だったわよね?」

「そうだよ…〇曜日だよ。それがどうかしたか?」父が返しました。

「うん…あの日逢ったわよ私。おばあちゃんと叔父さんに。」

皆がぽかーんとしているとおばさんは続けました。

「逢ったって言っても夢の中での事なんだけどね…」

私達はなーんだと、苦笑いだかホッとした顔をすると父が言いました。

「俺や姉さんやお前がまだ青森に住んでた頃、お前だけ異様におばあちゃんに可愛がられてたからな…最後におばあちゃんが挨拶に来たんだろう…」

その時私は幼いながら、でも叔父さんも一緒に何故夢に出てきたんだろう?と思いましたが口にはしませんでした。

するとおばさんが「違うの…逢いにきたんじゃないの」と言うと、皆がまさか…と顔を見合せました。

「私が夢で寝ているとおばあちゃんが起こしてきて、〇子行くわよ!〇子行くわよ!って手をひいてきたの…、でもお腹に赤ちゃんが居るし私は歩けなくて…おばあちゃんと叔父さんがどんどん先に歩いていくの…二人が振り向いて…おばあちゃんは怖い顔で〇子早く来なさいって言ってた、でも叔父さんはとても悲しい顔してた。」

ここまでくれば私達皆はこれがどういう事かすぐ分かりましたが、おばさんの話を最後まで聞きました。

「叔父さんの顔を見たらなんだか行ってはいけない気がしたの、だからおばあちゃんに言った。ごめんねおばあちゃん、私には赤ちゃんがいるの、私はこの先この子を守らなければならないの、だから一緒には行けない…って。」

それを聞いた父は「こんな事って本当にあるんだな…」と、とてもショックを受けていました。

その時は誰も「連れていかれるところだった」とは口にしませんでした。ましては夢での話だったので偶然ではないか…と皆が願望に似た気持ちでいました。

その後父だけおばさんの旦那さんに呼ばれ話をしていました。

車に戻り母が〇〇さんなんだって?と聞くと、父は言いました。

「俺達が青森に帰った日…〇子があの夢を見た日…〇子は急に容態が急変し、一時意識不明になっていたって…」

それを聞いて母も私も兄も何も言う事が出来ませんでした。

最後に父は「もう…やめて…くれ…」と、涙を流し力無い声で言いました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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