初めて投稿させて頂きます。閥侍牡と申します。
私は幼い頃から、怖い体験や不思議な体験をいくつかしました。
その中でも最も怖く、最もヤバイと思った体験を話したいと思います。
長くなると思いますので、最後までお付き合い下されば嬉しいです!
・・・・・はじめます。
あれは妻と付き合い始めて間も無い頃です。
翌日もお互い休日の為、遠出のドライブに朝も早くから出かけました。
初夏の気持ちの良い風が吹いていて、心と体が毎日の疲れを癒してくれそう!
そんな気分でした。
いろいろな所を回り、最後は美味しい物を食べてゆっくり帰ろう!
頭の中にある、スケジュールを遂行しながらとても楽しんでました。
楽しい時は時間が過ぎるのは早いもので、かなり遅い時間になってしまいました。
妻の家は神奈川県の外れにある為、中央高速をひた走り、ICを降りたのは深夜0時を過ぎてました。
B(私)・『遅くなっちゃったね!』
Y(妻)・『明日は休みだし、親には遅くなるって言ってあるから!』
そんな他愛も無い話を楽しく話しながら、家路に向かってました。
どれくらい走ったでしょうか?窓を開けていたせいか、ちょっと肌寒さを感じました。すると・・・
Y・『この先の橋、渡らなくてもいい方法・・ある?』
その頃はナビなんて高価な物は私の車には装備してませんでした。
B・『えっ?、解んないけど地図で調べて見ようか?』
Y・『あっ!、別にいい!他に道があればと思っただけ・・・』
B・『なんか、あんの?』
Y・『知らない?あの橋の事・・・。』
B・『・・・・・?』
Y・『私は見たこと無いけど…有名だよ、あの橋…』
B・『あっ!、〇〇大橋!』
自殺の名所でもある橋でかなりキツい場所でもあると聞いていました。
私は昔から御守りとして持っていた水晶玉を袋から出してダッシュボードの平ら部分に落ちないようタオルにくるみ置きました。
走っているうちにだんだん、霧が出てきました。
このへんからは、二人とも異様な空気に言葉がありませんでした。
B・『窓、閉めて・・』
妻は私が何かを感じていると判ったらしく、黙って窓を閉めました。
徐々に橋が近くなり、二人の間に緊張感が漂ってました。
ゆるいカーブを出かけた・・・・・その時!!
大きな石、いや、岩があるのが私の目に入りました!
B・『うわぁぁぁーっ!』
Y・『何っ!』
ハンドルを切った為、車を道の真ん中に斜めに止まりました。
B・『今、岩・・・なかった?・・・あれ?』
Y・『えっ!、無いよ・・・びっくりしたぁ!』
私は確実にこの先、何かあると思いました。
少しスピードをあげ、帰路を急ぎました。
Y・『大丈夫?・・・顔がこわばっているよ・・・安全運転でね・・・。』
そう言うと、私の肩をポンと叩き、私の手を握っていました。
橋が近づくにつれ、霧が濃くなってきました。
ライトをアップにし、目をこらして橋の入口をジッと見つめると何かがいるのが見えました・・・。
それは・・・・・
絶対、この世の者では無い女が見えました。
目は見開き、頭から血を流し、口からは血反吐の跡があり、ボロボロの服を着てそこに立っていました。
遅くなり、申し訳ございません。休憩時間に投稿させて頂いている為、また途中で切り上げると思いますが、時間の有るかぎり書きますので宜しくお願いします。
・・・・・続きです。
その女の横を、猛スピードで通り、橋に差しかかった瞬間でした!
橋の両サイドから水柱が空に上がるのが見えました。例えるならば、モーゼの十戒で海が半分に割れて、真ん中の道を走る・・・そんな感じです。
橋を渡っている時にはいろいろな声が聞こえたり、気配を感じたりで早くこの場を立ち去りたいと思うばかりでした。
助手席の妻は両手で耳を塞いで、目を閉じて下を向いていました。
橋を渡り終わって、私はバックミラーに目をやったのです。・・・・・すると、
後ろのトランク部分から手が伸びてきました。運転しながら後方をチラチラ見ながら、出て来たのは橋にいた女でした。
ゆっくりとだんだん、リアガラスに近寄る女。
私はダッシュボードの上に置いてある水晶玉を手にした時!
女は消えました・・・・・。
しかし私の頭の中で、
《ミ・テ・ロ・ヨ・》っと、確かに聞こえました。
どれくらい走ったでしょうか?
国道16号線の看板が見え始めた頃、回りの町並が明るくなって来た事に気がつきました。
Y・『大丈夫?』
B・『あぁ・・そっちは?』
Y・『あたしは耳塞いで下向いてたから・・・でも、あんた・・何か・・・見えた?』
B・『うん・・・ちょっと・・ヤバイかも・・・。』
私がそう言うと妻はバックから携帯電話を出し、何処かに電話し始めました。
Y・『あっ!A?・・・あたし!・・・ちょっと話たい事、あるんだけど・・・。今、大丈夫?』
妻が告げると隣の私にも聞こえる大きな声で、
A・『あんた!何かあったんでしょ!!』
妻の幼なじみのAと言う娘はちょっと口が悪いが、凄い美人で(中山美穂によく似てる相当な美人)霊感が強く、親戚が神社をやっている頼りになる姉子肌です。
B・『こんな時間に悪いじゃん!』
Y・『いいの。だって今日はお店出てる日だもん』
妻がAに今、あった事を話ました。
A・『今からあたしんちに来な!帰ろうとしてた所だから・・・。』
Y・『あっ!迎えに行くけど・・・』・・・すると、
A・『やだそんな霊に追われた車に、乗りたくないよ。いろいろ用意しておくから早くきな!』
そう言うと電話を切りました。
しかし・・・・これから・・・あんな事になるなんて
その時は・・・・・思っていませんでした・・・。
車を走らせる事、30分くらいでAの住むマンションに着きました。Aはすでに入口で待っており、
A・『とりあえずこの水を車にかけてその後、この塩を車の四方に盛って!』
Aの説明によるとその水は親戚の神社にある井戸から出てる水らしく、その塩はやはり神社から貰ってくる塩と言う事。
私は言われた通りにやり始めて後ろに回って気がつきました。
リアバンパーからトランク、リアガラスにかけてあの女が這いずったであろう跡。うっすらと血糊がついていました。
Y・『わっ!何、これ!』
A・『相当、きてるね!』
B・『後ろから来てるの判ってたよ!』
A・『終わった? じゃぁ今度はあんた達よ。この水で左手、右手、口を洗ってその後二口、飲んで!』
お清めらしく、言われた通りに事をはこび、
A・『あと、この塩でお互いの肩、胸、足元、背中にかけたら、部屋に入って』
全て終了し、部屋に通された。
A・『二人共、泊まっていきな。朝、起きてからの説明するから!』
説明によると完全にその女は私をターゲットにしてるらしく、このままだと私に憑依するか、何らかの行動をうつすと言う事でした。
B・『俺、何かした?』
A・『したんじゃなく、ソイツにしてみたら居たんだよ!あんたはなんらかでソイツの念が合致したんじゃないかと思うんだよね。』
私はこれからどうなるのか?見当が付かずにいた。
Aが親戚の神主様に相談したところ明日、来てほしいと言われたらしく先程、妻から電話で聞いた事を伝えたら、『厄介なモノかも』と言う答が帰って来たと。
朝が早いからもう寝ようと言われ、床に着いたのが午前3時を過ぎていました。
翌朝・・・7時に起こされ、用意をして出発しようと外に出て、自分の車を見た瞬間・・・震えがきました。
車の至る所に何者かの手跡にボンネットから天井部には足跡がぎっしりとついていました。
夜中のうちに私を探していたのではないかとAはいっていました。
不安を持ったまま、Aの車に乗り込み、親戚の神社に向かいました。
結構遠く、3時間ぐらいかかって山を登った所に神社がありました。
大鳥居をくぐり、砂利の広場に車を止め、
A・『B君はちょっと車の中で待ってて!』
Aと妻は石階段を上がって行きました。
私はこれから何がどうなるのか?見当がつかないと不安感を抱き、外を見つめていました。
その時でした!
回りの空気が重くなったのを感じたのを覚えてます。
大鳥居の外であの女が見えました。
B・『真っ昼間なのに!なんだよ!この野郎、あったまに来た!』
私は怖さもありましたが、それ以上に腹立たしい気持ちの方が上回っていました。
『あれ以上は近寄る事は出来ませんから安心して下さい。』
そう私に言ってくれたのは神主様でした。
いつの間にか私の側にいました。
『しかし、物凄い怨念を感じます。このままだと貴方、もちませんよ。』
神主様は私と同じくその女が見えるようで、話をしていました。
私は自分が大切にしている水晶玉を神主様に見せました。すると、
『・・・今回だけでは無く幾度、この水晶様が貴方をお守りくださってますね。ほら、ここをご覧下さい』
そう神主様が水晶玉を回転させ、こちらに向けました。
『真ん中に幾つか筋がありその横に大きくヒビのような物がわかりますか?これは貴方を守った証なのですよ。大事にして下さい。』
神主様がこう言う事も言いました。
『これを持っていれば大抵のモノは大丈夫でしょう。しかし、今回はそうは行かないみたいです。これからやる業の事をお話しますので、杜の方へ一緒に参りましょう。』
私は車から降りて、神主様と一緒に階段を登って行きました。
私は後ろを振り向き、大鳥居の手前にいるソイツに、
『手前ぇ、今度、俺が言ってやるよ!・・・・・。』
《み・て・ろ・よ・!》
長い石階段を登り終わると再び鳥居をくぐり、目の前には、立派な本殿が大きくそこに身構えていました。
すると、脇の方から二人の若い神主と二人の巫女さんがこちらに来ました。
一人の巫女さんが、
『神主、姪子さんとお友達は奥のお部屋に通しております。』
『あぁ・・有り難うございます。それでは本殿の中にどうぞ・・・。』
若い神主が先頭に立ち、私を本殿の中へと案内してくれました。
本殿の中は広く、神様が祭ってある場所は私でも神聖なる物だと解る凄い所でした。
『こちらにお座り下さい。もう間もなく、神主がいらっしゃいますので、しばしお待ちください。』
私が座った場所は神様の祭られている所から、畳3畳分離れ、座布団の敷いてある、その回りには四方にろうそくが立っており、座った目の前には木箱の上に酒、米、塩が皿に盛ってありました。
10分たった頃でしょうか?正装に着替えた神主様がいらっしゃいました。
『Bさん、これから行なう事をご説明致します。特別貴方は何をする訳では無いのですが、一番辛く、そして苦しいでしょう。しかし我々が一緒に戦いますので安心してください。
まず、貴方はこの場所から動く事と声を出す事をしないでください。あと、意識をはっきりさせてなくてはいけませんので、寝ていてもいけません。
それにあの女が貴方に語り掛けたりして惑わすと思いますが、それに反応して心で喋らないでください。』
心で喋る?と思ったが直ぐに神主様はそれを察知し、
『女に対して、(やめろ!)だの(消えろ!)と念じる事です。ですから、先程申した、貴方が一番辛く、苦しい立場なのです。
貴方にはなるべく、無になってもらいたいのです。』
横にいた若い神主が、
『では、ご説明致します。今からやるのは、霊符の儀式と申します。祭儀の法は儒教式、仏教式、神道式の3種類の仕方があり、更に道教式、陰陽式の祭儀の法もございます。』
それに付け加えるように神主様が、
『あの女を消す為の法は主に還呪詛符(呪いを跳ね返す法)と祓地符(地霊を鎮める法)をやります。
大丈夫!貴方なら必ずやり遂げられると信じてますし、貴方も私共を信じてくだい!共に全力を尽くしましょう!』
そう言うとそれぞれの持ち場に散って行きました。
私は神主様の言葉に力をもらい、心を無にしました。
祭儀が始まってどれくらいたったでしょうか?
空気全体が重く感じ、どんよりとした時でした。
本殿全体がガタガタとし、風も入って来る訳ないのに、ろうそくの炎が揺れ、得体の知れぬ声がしてきました。
私は我慢出来ず耳を塞ぎました。・・・すると
《デテコイ・・ムダダヨ・・ソバニオイデ・・》
耳からでは無く、頭の中から聞こえてきました。
私は頭を抱え、目を閉じました。すると、頭の中であの女が私に迫って来るのが見えました!
私は腕を捕まれ、頭から女に食べられる!!!
その時でした、神主様の声が聞こえました。
『惑わされてはなりません!それは、ヤツの誘き寄せです。それは幻であり、本当の貴方はここに居ますぞ!今一度、先程のように心を無にしてください!
直ぐに!!・・終わりますから・・・!』
私はその言葉で自分を取り戻し、再び無になれました。
その後も女の念が幾度と無く来ましたが私は惑わされる事なく、それに先程ヤツに喧嘩を売ったような感じになった反面、負けてたまるか!と言う気持ちが打ち勝ちました。
それからどれくらいの時が過ぎたかわからないくらい、私は心を無にしていました。
『Bさん、よく辛抱しました!本当によくやった。
あの女は消えました。もう大丈夫!!ご苦労様です。』
神主様の労いの言葉で、ドッと安心感と疲労感が来て自然と涙が溢れました。
最後に締めの祭儀を行い、無事終了しました。
帰る時に神主様から渡されました。それは、
『これは貴方専用の霊符です。いや、護符ですね。
1年に何回かでもお参りにいらっしゃい!
お待ちしてますよ!』
また、私に水晶玉と同じくらい力のある御守りを手にいれました。
神社を出たのはもう、山のカラスが鳴く頃でした。
・・・・・完
長い話に付き合って頂き、有り難うございます。
私が今回、教訓に思った事は、
さわらぬ神に祟り無し
・・・・・です!
近いうちに・・・また!
怖い話投稿:ホラーテラー 閥侍牡さん
作者怖話