これは僕の住んでいる地域で実際に起きた事件です。
「相談があります」
真っ青な顔で僕に相談してきたAくん。
「どうしたの?」
僕が聞くと彼は答えました。
当時は出会い系サイトに対する「危険」「バカがやるもの」等の認識が非常に薄く、殺人やストーカーなどの被害がほとんど無い時代でした。
そんな中、当時主流だったPHSでA君もPHSの出会い系サイトで遊んでいたそうです。
A君は隣の大きな港町に住む10代の女性と遊び、関係を持ったそうです。
A君も当時19歳、若気の至りだったのでしょう。
彼は僕に新聞を見せました。
そこには
「〇市に住む20代の男と10代の女性を傷害と殺人未遂の容疑で逮捕」
と書かれていました。
内容は以下の通りです。
「〇市に住む20代の×容疑者と未成年の少女は、HIVの感染を医師から告知されているのにも関わらず、出会い系サイト等で複数の男女と性的な関係を持ち、病気を感染させた疑いで警察は事情を聴取している。」
検査の結果、A君は陽性でした。
「しばらく何もしたくない」という理由での退職です。
数ヶ月後、彼は自殺しました。
そして今月、容疑者の一人も亡くなったという小さな記事が新聞に載りました。
今もどこかでHIVは伝染していってるのでしょうか。
この病気が根絶される事を心より願っています。
怖い話投稿:ホラーテラー 見世永さん
作者怖話