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双子の兄 匂いと臭い 7

中編3
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双子の兄 匂いと臭い 7

「あの、しつこいようだけど、事故で死んだ子、天涯孤独って言ってたけど父親も母親もいるんだろ?いつか会えるってわけじゃないのか?」

「会えない!!ただ純粋に会いたい!という思いだけだったら・・・・それでも、長い時間を必要とするけど可能性はある。でも、大人ってのは純粋に何かを求めるって事が出来なくなってるんだ」

??

「子供の場合、殺される、とかいう特殊なケースを除いて、あまり他人を憎むって事がない」

???

「あの子も、(両親に会いたい)と純粋に願うだけで、突如いなくなってしまった両親を(僕を置いてどこに行ったんだ!あの二人!!)などと憎んだりはしないだろう」

・・・・・・・

「悲しむという感情自体は、地獄に堕ちる直接の要因にはならないんだ」

??

「大切な人を失ったりしたら普通人間は悲しむ。ちっとも恥ずべきことじゃない」

・・・・・・・

「ただ、大人ってのは大抵その思いを憎しみにかえるんだな」

「例えばお前が、最愛の彼女を失ったとしようか」

「お前は当然悲しむよな。でもたぶんそれだけじゃ終わらない」

??

「彼女が事故で死んだのなら、まず殺した相手を憎む。相手が飲酒運転だったら死刑にする事が出来ない法律を憎む」

・・・・・・・

「さらに何の罪もない彼女を殺した運命を憎む。あげくには神を憎む」

・・・・・・・

「こうなると不味いんだ。」

・・・・・・・

「あの子は淋しくて、悲しくて、しばらくはさまようだろうけど、涙が涸れ果てて疲れきった頃、天国からの匂いに気付く可能性がすごく高い」

「天国の匂い?」

「ああ、爽やかな、いい匂いだ」

「親は怨みつらみが増すばかりだ。あの子との距離はどんどん広がっていく・・・・」

・・・・・・・

「だから、人間は生きている内に天国の匂いを嗅ぐ癖をつけて、例え不慮の事故で死んでも、その匂いに気付くようにしとかないと駄目なんだ」

???

「あの頃の俺は、ファブ○ーズで世界を救えるんじゃないかってまじに思ってた。馬鹿だよな」

・・・・・・・

「あの父子の後もスポット行っては撒き散らしてた、アホみたいに」

・・・・・・・

「その踏切に女の霊がいるのを最初に見たのは5年の時だったな」

「ビルから何度も飛び降りる男と同じ、懲りずに何度も何度も・・・・」

・・・・・・・

「地縛霊ってのは、ほんと、自分の事しか考えていない。世界中で生きてるのは自分一人みたいな」

・・・・・・・

「ダンプに突っ込まれて死んだ母親、旦那と息子がいなかったらまず、地縛霊になってたな」

・・・・・・・

「俺はその女の後ろからそっと近づいた。ファブ○ーズ握りしめて」

「俺、スポットに近づいたら必ず身体に吹き付けてたんだ」

「そうすりゃ憑かれることはない、って高くくってたんだな」

・・・・・・・

続きは店で書きます。ごめんなさい。ああそれと、自縛霊って地縛霊って書くんだね。初めて知ったわ。意味考えりゃそうだわな。オカルトど素人ばればれだね(笑)じゃあ、また。

怖い話投稿:ホラーテラー 双子の弟さん  

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