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短編1
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不安と恐怖の狭間で

非常に霊感の強い御寺の住職さんがある朝、庭の掃除をしようと庭に出た。

すると、そこに30歳前後だろうかという男性が立っていた。 住職はこの辺りでは霊能者としても非常に有名であり、数々の人が住職に相談をしに来る程である。

この男性も相談をしに来たのだろう… 住職はそう思い男性の元に近づき声をかけた。

「どうなされたのですか?」

住職が冷静にそう聞くと男性は体を震わせながら静かな口調で言った。

「住職さん。ちょっとお話ししたい事がございまして…。」

住職は男性の肩を擦りながら一先ず落ち着かせるために中に入るよう言った。

御寺の中に入り男性に煎茶を出すと、住職は言った。

「落ち着いたら、話してください。」

男性は煎茶を一気に飲み干し、一呼吸してからゆっくりと話し出した。

「実は一昨日あの三途の川を夢で渡ってしまいまして、 今私は生きてるのでしょうか?」住職は暖かい笑みを浮かべて言った。

「何をおっしゃっているのですか? あなたは生きていますよ。しっかり魂はあなたの元に存在していますよ。」

男性は少し安堵した様子で言った。「そうですか~… でも夢を見た翌日から本当に何もする気が起こらないのですよ。」

そこへ住職が水をさす様に言った。

「ただ…二、三人あなたは三途の川から連れてきています。」

怖い話投稿:ホラーテラー サミュエル江藤。さん  

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