中編5
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お姉さんの思い出

本日、聞いたお話です。

休みだったのでA県にあるT神社へ行ってきました。

ただなんとなく神社へ行こうかな?的な感じで行きました。

その神社はスサノオ伝説の一つが伝えられ、5~6世紀ごろから

聖なる土地と云われているそうです。

日露戦争記念と彫られた灯篭もあり歴史を感じました。

平日ですが、何かの行事か知らないですが車が多く止まっており、

神主さんや巫女さんがウロウロしていました。

俺は本殿の賽銭箱に100円玉を入れ「おはようございます、社会の勝ち組になりたい・・

-省略-

お参りしているとおばさんが突然話しかけてきました。

おばさん「今日は暑いねぇ!家の中は寒いけど!」

たしかに今日は日差しが強く、昨日よりは暑い。

おばさんが一方的に世間話を始めました。

「税金・・内閣・・・」

そしてそれは徐々に愚痴にかわっていきました。

15分ほど経過しました。

俺はおばさんの話を阻止すべく、以前投稿させていただいた、布や、意味のわからない

おっさんの話を持ち出しました。

予想とは裏腹におばさんは「私も過去、変なものをみたよ!」と言い出しました。

おばさんにその話を他人に話してもいいか聞くと、綺麗なお姉さんから聞いたと

言ってほしいと頼まれたので、おばさん自身=綺麗なお姉さんとします。

オカルト好きオタクが綺麗なお姉さんから過去の怖かった思い出を

無理やり聞かされているという超設定でお読みください。

綺麗なお姉さんは子供のころは九州の田舎に住んでおり、学校へ行くには山道を抜けなければ

ならなかったそうです。

綺麗なお姉さんにはA子という友達がいますが、A子は早起きのため、学校へ一緒に

行く事はなかったそうです。

そんなA子がある日、「一緒に学校へ行こう!」とお姉さんに頼んだそうです。

お姉さんは「珍しいな」と思いました。

朝、お姉さんが家を出ると家の前にA子が待っていたそうです。

A子「ごめんね!実は最近、学校行く途中の山道で変なもの見るから怖くて・・」

綺麗お姉「え?私も見てみたーい!」

そんな感じの会話をして、例の山道についたそうです。

A子は、お姉さんの肩に顔をうつ伏せて、森の中を指さしたそうです。

普通の森が目の前に広がっていました。

しかしよく見ると、丸い不自然なものが森の中の3M程高い所に見えたそうです。

お姉さんは、あれのこと?どうせ蜂の巣か何かだよ!と言って、半泣きのA子を

なぐさめ、学校へ向かいました。

当時は農業をしている家が多く、田植えの時期になると生徒は早く帰らされたそうです。

A子は田んぼを持っていませんでしたが、早く帰れる事を喜んでいたそうです。

A子の家はあまり金持ちではなく、白い米を食べれませんでした。

なので学校の弁当の時間は他人に白くない米を食べているのを見られるのが恥ずかしく

弁当箱のふたを立てて周りから隠して食べていたそうです。

お姉さんは、それを見て弁当をA子と交換してあげた事も多かったそうです。

まぁ、とにかく彼女たちは親友でした。

そして、下校の時間、まだ日は空の真上に上っており暑い!

A子は下校も風のように早かったそうですが、この日は、お姉さんと一緒に

帰りました。

帰り道、例の山道を通りました。

A子は怖がって顔を隠しながら歩き、A子の手を引っ張ってお姉さんが先頭を

歩きます。

また森の中の同じ場所に丸い物体が見えました。

その時、お姉さんはどうもおかしな事に気がついたそうです。

丸い物体にはトンボの目のようなもの(複眼?)が3つついていたそうです。

鳴きだすA子を抱きしめながらお姉さんはそれをじっと睨んだそうです。

するとその物体は、雑巾を絞ったときみたいに体をぐねらせ「ホッホッホッ」と

笑い声を発したそうです。

お姉さんは怖くなり、A子の手を引っ張って家へ向かって走り出しました。

自宅の前にたどりつき、気を落ち着かせてから、その物体についてA子に聞きました。

A子はいつからそれを見始めたかは覚えておらず、最初のころはあまり気に留めては

なく、なんか珍しいものが見えるな程度だったそうです。

しかし、それは毎日見るごとに大きくなっていったそうです。

そして笑いかけてくる事もありその頻度は徐々に高くなっていったそうです。

あと、A子は長い手足が見えると言っていましたが、お姉さんには見えなかったらしいです。

そしてA子は胸ポケットから小さな手裏剣のようなものをとりだしました。

それはボロボロだったそうです。

お姉さんは、その手裏剣を知っていました。

地面に穴を掘って水を流して遊んでいた時、A子がみつけたものです。

A子は宝物として毎日、ポケットにその手裏剣をいれていたそうです。

しかし、あの丸い物体を見るようになってからその手裏剣は日が経つにつれ

ヒビがひどくなっていったそうです。

その時、手裏剣が守ってくれていたのではないか、とお姉さんは思い、その手裏剣の

ヒビをのりなどを使い補修したそうです。

その後、3日ほどは丸い物体を見かけたそうですが、次第に見なくなったそうです。

ここで綺麗なお姉さんの思い出話はこんな感じで終わりました。

その後、手を振って別れ、神社を後にしました。

手裏剣と丸い物体の関連性が不明ですが、

俺は個人的にその手裏剣が気になって、特徴を聞きいてきました。

手裏剣は、緑いろっぽい色をしており金属のようで、泥の中から出てきたそうです。

俺は図書館へ行き、PCの前に座り、長い旅を始めた。

泥の中・・・おそらく出土品?

緑色の金属・・緑青(錆び)のでた青銅か?

そして10分後・・

少し調べたうえでの俺の勝手な予想ですが、おそらくそれは「巴形銅器」ではないか?と

思います。

「巴形銅器」は魂が抜けないよう祈りを込めた武具の装飾品という説があり

弥生時代中期~古墳時代にかけて見られるそうです。

歴史の教科書などにも載っている事がありますが手裏剣見たいな形状をしています。

昔のものが出土する畑や田んぼってのは結構あって、法律では国に土地をとられてしまう

のですが、場所が多く管理もできないし、その土地がある村や町でも面倒なことにならな

いよう黙っている事が多いそうです。

考古学者たちもそういう村や町を訪れ、土地を数時間借り、研究する事があるそうです。

後半、関係ない話になってしまいましたが読んでいただきありがとうございました。

怖い話投稿:ホラーテラー ムームームーさん  

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