短編2
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金縛り

この話も実話です。

怖くなかったらごめんなさい。

初めての金縛りは礼儀がよかった。(以前投稿した『サンタクロース』の時は金縛りだったのか、ビビって動けなかったのかわからないので無しにします。)

私が普通に寝ようとしてると、部屋の空気が急に重くなり、

「失礼します」

という老婆の声がして動かなくなった。

初めての金縛りだったので、目なんか開けることができず、金縛りが解けた後も目をつむったまま布団の中で怯えていた。

二回目の金縛りは失礼な奴だった。

いつものように寝ようとしてると、また部屋の空気が重くなり、「やだな~」と思っていると、突然おでこに衝撃が走った。

間違いなく、デコピンだ。

その後金縛りになったが、恐怖よりも「なんで?」という気持ちになった。

その後、何度か金縛りに遭ったが、どれも部屋の空気が重くなったあと、金縛りになるだけだった。

そして、最後の金縛りはヤバかった。

またいつものように寝ようとしてると、お決まりの空気が重くなり、金縛りになった。

「今回は目を開けてやる!」と思い、勇気を振り絞って開けた。

何もいない。

首が辛うじて動くので、部屋を見渡したが誰もいない。

「なんだ~」と思い、とりあえず筋力で金縛りを解こうとしたが、首以外全く動かない。

すると、すねあたりに何かが下から引っかかるような感触があった。

手だ。

すぐに首をあげて足元を確認したが、何もいない。しかし、布団で隠れて見えないが、確実に両足に手が引っかかっている。(掴んでいる感じでは無かった)

「何!?何!?」と思っていると、今度は足がゆっくりと下に沈んでゆく感覚がした。

膝が折れ曲がるというよりも、体が一直線の棒になって、しなるように沈むようだった。

目で見ても、爪先であろう布団の膨らみが徐々に無くなってゆく。木の板に敷き布団を敷いただけなので、沈むはずがない。

「ヤバいヤバいヤバいヤバいヤバいヤバい」

動かない体はゆっくりと沈んでいき、腰らへんまで沈もうとしていた。

「こんなんで死んでたまるか!」と思い、全身の筋肉を全力で動かそうとしたとき、

「バチンッ」

という音と共に体が一気に戻ってきた。

金縛りも解けていて、その後も特に何も無かったが、その日は寝ることができなかった。

この出来事以降、私は金縛りには遭っていない。

怖い話投稿:ホラーテラー ふぇさん  

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