中編3
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我が家の女性陣

先日書いたように、我が家の女性には代々何かしらの【変な】力があるらしいです。

母は声や息遣いが聞こえ、

3歳下の妹は「ここ変な空気流れてるよね」っていうのを感じるらしい。

母の姉たちは気の強い人たちで、旅先で何かを見つけても笑い飛ばして終わらすらしい。

怖さの微塵も感じず大笑い。

その後、その話を肴にジュースで宴会(みんなお酒が飲めないので)。

見えない男性たちは、その話を聞きながらビビリまくっています。

「女って強ぇ~な」とよく言ってますよ。

お祖母ちゃんも良く見えてた人で、私がまだ見え始める前からお数珠を渡してくれました。

信仰心の無い(宗教心が無いっていうのかな?)私には、ピンクと透明の石が並んだ数珠はアクセサリーのようなものでした。

【不思議なもの】が見えるようになって、初めてくれた意味が分かりました

当時の私は「綺麗だなぁ~」と思い、いつもポーチに入れて持ち歩いていたんです。

この変な家系、一体いつまで続くのでしょうか。

我が家は基本的に男系の家系なんです。

数多くいる従兄弟たちの中でも、女は私と妹だけです。

母の兄弟姉妹は、姉が二人と兄二人、それと弟がいて、それぞれに男の子が2~3人ずついます。

そんな我が家に数年前、またもや女の子が生まれました。

妹の娘、すなわち私の姪です。

どんな力を持っているのだろうか、

私が【不思議ちゃん】を見始めたのが11歳、妹も中1だったと言っていた。

この子もそのくらいになったら・・・。

「伯母」となった私は心配しまくりです。

そして、その後。

その子が1歳半の時に祖父が亡くなりました。

チョッと風邪を引いて入院したところ、1週間で呆気なく亡くなってしまったんです。

生後8ヶ月ほどで歩き出していた姪の手を引き、葬儀に参列。

父や兄弟の職場関係の人が多く来てくださり、盛大(言葉が間違ってるかもしれないけど)に行われました。

棺の中に眠るおじいちゃんの頬には涙が流れていました。

私や母の姉妹は、

「おじいちゃん泣いてたねぇ」なんて話していました。

また、若くして亡くなっている母の兄も腕に黒いコートをかけ、喪服姿で出入口に立っていました。

若い男性が立っている姿を私は不思議に思いました。

「あの人誰だろう・・・」と言った私の説明を聞き、

「それは兄ちゃんだわ」と騒ぐ母たち。

伯母ちゃんたちは見えなかったらしいが、伝えた特徴がそのまま若い頃の伯父だったらしいです。

斎場にいき、最後のお別れ。

もう一度おじいちゃんの顔を覗き込み、手を合わす私たち。

すると片言しか話せない姪が、

「大(おお)じいちゃんバイバイ」と言った。

父の腕に抱かれて手を振る姪。

その視線は徐々に上を向き、斎場の天井に向かって手を振っていました。

父は驚き、私たちも「1歳半とは新記録だな・・・」と呟きました。

それからというもの、家の中にいるもの、

布団の中に入ってくるもの、

全てを言葉で説明しだす姪。

妹は見えない分怖いらしく、

「いやぁぁぁ~っ、言わないでっ」と騒いでいます。

私が子供の頃にもらったおばあちゃんの数珠は、今姪のものになっています。

当時の姪は1歳半ですから、その言葉には真実味がありました。

私の記録が更新されちゃいました。

怖い話投稿:ホラーテラー まるさん  

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