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短編2
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メッセージ

一昨年の夏、僕の最愛の彼女が死んだ

突然の事故だった

前方不注意の車両が、学校帰りの彼女をはね飛ばしのだ

近くを偶然通りかかっていた友達によると、一瞬の出来事だったと言う

それからすぐに病院へと搬送され、生死の狭間を彷徨っていたらしい

僕のもとに連絡が届いたのは、事故から1時間が経過してからだった

その頃僕たちは、お互いのすれ違いで、喧嘩をしたばかりだった

事故の知らせを聞いた時、彼女の状態よりも先に、

「オレの本心を知りたいがために、友達に頼んで、わざと事故に合ったふりをしてる?」

と考えてしまったことが、今となっては悔やまれる

連絡をくれた友達の動揺した雰囲気で、事の重大さに気付いた僕は、身支度一つせずに家を飛び出した。

外は夜だというのに蒸し暑く、走っている身体にかなり堪えた

そんな無我夢中で走っている時、一本の電話が鳴ったのだ

着信表示は「彼女」になっていた

思わず走るのを止め、一呼吸おかぬまま電話に出た

「あ、もっしもーし。わたし」

それはいつもと変わらない彼女の声だった

「ハァハァ…お前、事故ったんじゃないのかよ?」

「はぁ?事故?!なに言ってんのよ。私を勝手にころさないでよねー」

「なんだよ…ハァハァ。いたずらかよ」

「なに?そんなに私のこと心配してくれたの?」

「バカ!当たり前じゃねぇかよ!お前がいなくなったら誰が俺の昼飯作ってくれんだよ」

「あ、何そっれ!ひっどーい!」

「はははっ!ごめんごめん。でも生きててよかったよ」

「はは!そっか~。そうだ、言いたいことがあったんだ。」

「え?なによ?」

「ごめんね。迷惑ばかりかけて」

「もうあの時のことはお互い水に流してさ。また仲良くやってこ」

「ううん…ちがうの…私、あなたにちゃんと言いたかった。顔を見て、『ごめんね。これからもよろしく』って。でも、無理なんだよね」

「なんでだよ?別れるつもりなの?俺にはお前しかいないんだって!」

「もう!バカ!ほんといつだって…鈍感なんだ…から…」

「なにお前、泣いてんの?」

「泣いちゃ悪いの?…もっと一緒にいたかったよ…」

「ちょ、ちょっと、どうしたの?」

「ごめん。もう行かなきゃ。最後に言わせて……『これからもずっとあなたの傍にいるから』」

「どこ行くんだよ!ちょっと切るなよ!」

「それじゃ。元気でね…。ありがとう…愛してるから…」

「お、おい!」

ガチャ、ツーツーツーツー

その数分後、友達から彼女が息を引き取ったと連絡を受けた

病院では、そこで寝ているかのように綺麗な彼女が死んでいた

あのときかかってきた彼女からの電話

思い出すだけで悲しくなってくる

こうなると知っていたら、僕も最期に伝えたかった

「あいしてる」…と

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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なんか胸をギュゥと掴まれた感じ!

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