最近母から聞いた話しです。
私の家族は5人家族で、長女、長男と続き私がいる。
この話は私が生まれる前の話です。
姉が中学1年で兄が小学1年の時両親は共働きをしており、兄の面倒はほぼ姉が見ていた。
ある日いつものように姉弟で留守番をしていた。
いつもは6時には帰ってくる母が9時になっても帰って来ない。
2人は不安になりながらも帰りをまった。
チリリリン。
電話が鳴りだす。
姉「もしもし?」
母「お姉ちゃん?」
姉「何してるの?お腹すいたよ」
母「ごめんね、お父さんが倒れて今病院にいるの」
姉「!!」
その話を聞いた姉弟はすぐに病院に駆け付けた。
姉「お父さん!お父さん!」
姉弟は訳の分からない機械を付けられて寝ている父の姿を見て泣き崩れていた。
その時付き添いの母と先生が部屋から出てきた。
姉「おかあさーん。お父さん死んじゃうの?」
母「大丈夫よ、大丈夫」
母も涙を浮かべていた。
原因は1つ
虫歯だった。
虫歯をほったらかしにし、虫歯菌が心臓に到達し、心臓停止という最悪の状態だった。
仕事中前触れも無しに急に心臓停止。
救急車に運ばれ、そのまま手術室へ直行、母も直ぐに連絡を受け、病院へ直行した。祈り続ける母。
そして7時間に及ぶ手術は成功した。
後から父に聞いた話。
夢を見ていたらしい。
【自分の実家にいる私の父。家には死んだはずの父の母、父、姉、兄、みんな揃ってワイワイと楽しい話をしている。[父はみんな死んだ事は忘れている]
話の内容までは覚えていないらしいのだが、本当に楽しい雰囲気だったらしい。
そんな時間が続いていく。
急に家のチャイムがなる。
ピンポン。
私の父が玄関に向かう。
父「はい。どちらさまで」
「すいません。ここに○○さんいらっしゃいますか?」
私の母だった。
子供2人を連れて父を探しに来たらしい。
父「どうした?もうすぐ帰るよ。」
母「ダメ、今すぐ帰ってきてください。そこにいたら駄目です」
父「もう少し待ってくれ、今楽しいんだ。」
姉「一緒に帰ろ。」
兄「お父さーん」
その時奥にいた父の母、父、兄、姉が玄関に来た。
父の父「行きなさい、おまえはまだ来てはいけない。ここまで探しにくる家族なんていない。こんなにお前の事を思ってくれてるんだ。行きなさい。」
父「解りました」
父は訳がわからずまま、玄関を出た。その瞬間子供達が父に抱きついた。
姉「お父さん、ずっと探してたんだよ。見て、服が真っ黒になっちゃった。一緒に帰ろ!」
父「ああ、そうだな帰ろ」】
その瞬間目が覚めた、手術成功を聞いたらしい。
その時夢の中の父の父が言っていた事の意味を理解し、涙があふれたらしい。
それから私が生まれ今でも幸せな家庭を過ごしている。
今では父のペースメーカーの音も聞きなれてしまっているが、これからも元気で居てほしいと心から思う。
しかし虫歯から心臓停止になるなんて…。話を聞いたときは、鳥肌がたった。
怖い話投稿:ホラーテラー 高菜好きさん
作者怖話