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短編2
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いたずら(オリジナル)

ある小学生の話。

とてもいたずら好きな彼は学校のトイレ掃除のときに新しいいたずらを思いついた。

それは掃除用具の中に必ずあるゴム手袋を使ったものだ。

単純である。便器の穴にゴム手袋を立てるように置くだけだ。

しかし、効果は絶大だった。

トイレのドアを開けたとき、便器の穴からダランと脱力したような腕が飛び出ていたら、誰だって驚く。

しかも、ゴム手袋はたいてい2組くらいあるので、ほとんど全ての便器に仕掛けておくことができる。

ちょっとしたすきに仕掛けておくだけで、時々トイレから誰かの絶叫が聞こえてくるのがとても楽しく、病み付きになった。

学校だけでなく、人の集まるデパートや飲食店でもやるようになった。

隙をみて女子便所にしかけると、より一層効果があった。

男性と違って100%大便器を使うし、リアクションがいい。女性の甲高い悲鳴に快感すら覚えた。

しかし、ある日たまたま見たテレビのニュースで衝撃を受けた。

いつも行っているデパートの女子トイレで女性がショック死しているのが見つかったというものだ。

「悪質ないたずらが原因の可能性…」というキャスターのフレーズ。身も心もこおりついた。

さすがに罪悪感を覚え、それ以来そのいたずらをやめたが、いたずらの主が自分であるとは怖くて誰にも言えなかった。

ある日、学校に忘れ物をしたため、すっかりと日も暮れた夜に取りに行かなければならなかった。

さすがに気が引けたがやむをえない。学校に着くと、残業している先生はいなく、ほとんど人気がなかったが、裏玄関は空いていた。どうやら教頭先生が見回り中らしい。

「ちょうどいい。今のうちに」と、急いで忘れ物を取りに行く。

無事に忘れ物を手にすると少しだけ安心し、トイレに行きたくなってしまった。しかも、大の方…

トイレに入るとヒンヤリとした雰囲気に身震いするが、襲ってくる便意には逆らえず、トイレのドアを開ける。

「!!!」

さすがに心臓が止まるかと思った。便器の穴から手が出ている。

しかし、彼にとっては見慣れた光景。「誰だよぉ」と腹が立ったが、ビックリしたせいで便意は限界。

すぐにゴム手袋をどけようと手を伸ばすと、急にその手が彼の手を掴み返す。

あまりの恐怖に声も出せず、とにかく逃げようとするが指先が食い込むほどに掴まれている。

そして、水のたまった穴の底からうらめしさのこもった叫び声が…

「おまえかぁ!!!!」

翌日。「次のニュースです…小学生の男児…原因不明のショック死…」

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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