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短編1
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ヒグマ

北海道の山に渓流釣りに行った時の事である。

その日は、ニジマスやヤマメがたくさん釣れて本当に楽しかった。

アイツが現れるまでは…

釣りに夢中になった私は、いつのまにか山奥まで入ってしまい、「熊出没注意」と書かれた看板を見つけた時には、もう遅く、まだ新しいバケツいっぱい分もの糞と大きな足跡を発見してしまった。

「ヤバイ…」

私がその場から立ち去ろうとしたその時「ガサガサ」と森が揺れた。

「フゥーフゥー」

と唾液を垂らしながらアイツは現れた。巨大な雄のヒグマだ。

「終わった…」

私の目に涙が溢れた。とっさに走り出した私は最大の過ちを犯した。ヒグマに背を向けて走って逃げてはいけないのである。それが常識であったにもかかわらず恐怖のあまり私は逃走してしまったのだ。

ヒグマは60キロもの速さで走る動物で、本能的に逃げる者を追う習性がある。

ヒグマはすぐに私を追いかけてきた。

「ドドドドド!!!!!」

地震でも起きたかのように巨大なアイツが動き出し、私の背中に激痛が走った。

つづく

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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