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短編2
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奇妙な船事故

これは、おばあちゃん から聞いたお話です。

1926年。

マグロを巡るべく

一船の船が出航した。

その船の名前は良学丸。良学丸は船員約39名を

乗せ、

出航した。

その船員が記した記録がいかにも

不気味だそうだ。

食料は約四ヶ月分。

船員は、まさか

ああなるとは

誰も予期できなかった

だろう。日記にはこう

記されていた。

*月*日。日本海を出航して

三ヶ月半がすぎた。

天候は嵐が続き、

食料のほとんどが

海の餌食となってしまった。

船員は食べ物もろくに

食えず、

まるで死人のようだ。

ああ。なんて有様だ。

こんなことになるなんて。

と記されていた。

そう。船員は

もうわかっていたのだろう。

自分たちが死ぬことを。

だが、まだ日記は

続いていた。

その日記はあり得ないことに、

船で食料がつきた。と

かかれた日にちから、

おおよそ一年半。

日記にはびっしり

記されていた。

どこが奇妙なのか

理解いただけただろうか?

そう。人間は、

食料を食べず、一年半も生きて居られるわけが

ないのだ。

海水を飲めば逆にのどが乾いてしまう。

良学丸が発見されたのは

1946年のことだった。

乗っていた船員の半分は行方がわからなくなっている。

だがしかし生存者は

居なかった。

すべて体中が腐敗した

遺体ばかりだ。

では、どうやって

一年半もの間、

飢えをしのぎ、

日記を書いていたのだろう?

今だに謎なのだそうだ。

怖い話投稿:ホラーテラー 衣美さん  

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