銀色の髪、黒い2本の角、白くやわらかい羽根…彼女は『アルス』と名乗った。『アルス』とは『混血』という意味だと教えてくれた。
「お兄さんみたいに、どうするか迷ってる人間を見届けるのが仕事なの」
アルスは三途の川の守人のような存在だと話した。
「ぁ…真奈美、真奈美は見なかったか!?」
「クスクス…さぁ~?女ならあっち側の森に1人いた気がしたけど」
アルスは指を差して言った。
(真奈美…真奈美に会いたい!)
それを聞いて急いで川を出ようとした時、祐介はゾッとした。
横目にアルスの悪意に満ちた笑みが見えたからだ。
(こいつ…俺を死の世界に誘導しようとしてる…!?)
「クスクス…あれ?行かないの?マナミさんの所へ」
「…っく!!」
(どうすれば…どうすれば現実世界がどちらなのかわかるんだ?)
その時
森からガサガサと何かがこちらに近付いてくる音が聞こえた。
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「先生!!1人の患者の容体に変化がありました!」
病院が騒がしくなる。
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アルスと祐介は森からやって来るものに目を向けた。
「…!真奈美…!!」
(すまんまだ続く)
怖い話投稿:ホラーテラー 春近さん
作者怖話