短編2
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おじいちゃん

自分が中3の時体験した話です。

その頃は部活も引退し、毎日友達と遊んでいました。

その日は友達の家に泊まりに行く予定で、夕飯も風呂も済ませ自転車で家を出ました。

夜11時くらいでしたかね…

目の前にある大通りを渡り

細い道に入ったときです。

僕は一人のおじいちゃんとすれ違いました。そのときは特に気にもせずそのまま友達の家に向かいました。

しかし、途中で忘れ物をしたのに気づいて一度家に帰りました。

今思うとこのときもうすでに、導かれていたのだと思います。

忘れ物を持ち、また大通りを渡り細い道にさしかかった時、僕は目を疑いました。

さっきすれ違ったおじいちゃんがまた同じ場所を歩いてきました。

「あれ、この人さっきもいたな。他の道を回って来たにしても速すぎる…」と思い横目で顔を確認しました。そのとき僕はもの凄い悪寒に襲われました。

そのおじいちゃんは目の辺りが真っ黒で、目は白目しかないのです。そして口は大きく裂け、白い歯が奥までハッキリと見え、「にやり」と笑っているようでした。

僕は恐怖で声も出ませんでした…

「逃げなきゃ!」と本能で感じ、全力で自転車を漕ぎました。

途中道の右側に電波塔があるのですがその周りはフェンスで囲んであり、フェンスは中に人が入れないようにすごく高くなっています。

ふとそのフェンスに気配を感じ、脇目をふると…

さっきのおじいちゃんがフェンスに手をかけてこちらを見ているのです。見てると言っても白目なので、首が僕を追っているという感じです。

足は着くはずがないのでぶらぶらと宙に浮いています…

このとき完全にそのおじいちゃんが人間ではないと感じました。

その道には電灯が1、2個しかなく人は影のようにしか見えないはずなのですがそのおじいちゃんだけはハッキリと顔まで確認できました。

僕は半泣きで「ついてきてる!ヤバい!」と自転車を漕ぎ続けました。

少し大きな直線に出て、前からの車のライトに僕はホッとしました。

「良かった…後少しで着く。」そう思いながらも何故かその車を目で追っていました。

自分では車なんて意識もしていないのに…

僕は車とすれ違う瞬間背筋が凍りました…

おじいちゃんが車の窓に手をかけ、僕を見て

「にやり」と笑いました…

その後僕は急いで友達の家に駆け込み無事でした。

この話は終わりで後から知ったのですが、僕の家のすぐそばの大通りでは事故が何回も起こっているとのことです…

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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