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短編2
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先日 続き

遅くなりました。

嘘か本当か興味があるなら行ってみてください。

○島県の福山市です。

タカシは無言で車を走らせます。

リョウもさっきから静かに外を見つめています。

僕は助手席のうしろから覗き込むように進んでいくライトに照らし出される前方のアスファルトを見ていました。

しばらく行くとトンネルがありました。

暗闇の中大きく口を開けたようなオレンジ色の半円。

このトンネルは地元の人間なら誰もが知っているような心霊スポット。

クラクションを2回鳴らすと霊が着いてくるとか、後ろのガラスに手形が着くとか。。

確かに入口の横には花が手向けてあったり地蔵があったりします。

タカシも少しビビったかスピードを緩めました。そして、

「行くで。」

「おぉ。。」

2人ともそれ以上の返事が出来ませんでした。

トンネルの中ほどに差し掛かり、何も起こるわけはないのに皆無言。

エンジンの音、それ以外は何も聞こえないほどの静寂。

前を見ても後ろを見てもぽっかりと開いた黒い闇。

静かに、本当に静かに、何かに見つからないように進む僕たちは、誰一人口を利くものはありませんでした。

トンネルを抜けた瞬間、

「ぬ、はぁぁ−!!」

と皆息をするのも堪えていたかのように息を吐き出しました。

「怖ぇぇ!!」

「なんか空気違くねぇか!?」

「お前顔マジんなっとったど!」

「うるせぇ!お前もじゃろうが!」

と少し喋ることで皆怖さを掻き消すようでした。

その時、タカシがまた言いました。

「あれ、あれ何?」

ヘッドライトが照らすかなり先、小さな赤い布が斜面にかかっているのが見えました。

少しづつ近づくにつれ、子供のように見えてきたそれは無数の御地蔵様でした。

なんでこんなところにこんな量の地蔵があるのか!

しかも斜面にまで!

なんのために!?

と思いながらも車は近づいていき、その横を通り過ぎるまで目がはなせずにいました。

目を離すと何か起こるような、そんな雰囲気でした。

たぶん、リョウもタカシもほんとに来るのは初めてだったんだと思います。

噂話は膨らむと言いますが確かにかなり変な噂のあるところでした。

僕もほんとに来るのは初めてでしたから。。。

それくらいヤバイ場所だったんです。

目指す一軒家はどこにあるのか、こんなとこに家なんかあるわけないだろう!というのが素直な気持ちでした。

ほんとに全て有りのままのその場所の話です。

長くなってすみません。

怖い話投稿:ホラーテラー ケロヨンさん  

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