ひょお、と風が吹き、新八の前髪が揺れた。
午後十時。
銀魂高校の正門の前である。
こわいなぁ、と新八は思う。
夜の学校ってマジこえーよ・・・・・。
いや、そこが学校であれ、神社であれ、お寺であれ、夜に行けばどこだろと、こわいっちゃあこわい。
だけれども、「夜の学校」という言葉から立ち昇る、独特の薄気味悪さってあるよね。
マジこえぇ。
それ以外の感想が浮かばない新八である。
ぴったりと閉じられた、スライド式の鉄の校門の向こうには、鉄筋コンクリートの校舎がものも言わずに(当たり前だけど)うずくまっている。
その校舎がいただく夜空にも、たっぷりと肥えた満月が浮かんでいて、なんと言うか、ラスボス出てくんじゃね?みたいな雰囲気が漂っている。
だが、新八は入らねばならなかった。
夜の学校に。
忘れ物を取りに行くために。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話