創作です。怖くありません。
私の親友が自殺しました。
彼女は可愛いいうえに、勉強も出来る自慢の友達でした。
分からないことや疑問に思ったことは、自ら調べ解決していくような娘でした。
当然いろいろな知識があり、私もずいぶん助けられていました。
そんな彼女の突然の自殺に、ご両親は現実を受け入れられない様子でした。
当然です。私たち友人でさえそうなのですから。
ご両親は、何故気づいてあげることが出来なかったのか、
と自分たちを責め続けてかなり憔悴していました。
もちろん私も同じ気持でひたすら、自分を責め続けることでしか、
彼女に詫びる方法がありませんでした。
私が気がついてあげられられなかったから、
しんじゃったんだ・・・ごめんね。ごめんね。許してね。
お葬式が終わって一週間が過ぎたころ、
私に手紙が届きました。
差出人の名はありませんでしたが、
直ぐに分かりました。
見覚えのある綺麗な字。
彼女だ!!
はやる気持ちを静め、震える指で封を開けると・・・
○○へ
突然こんなことをしてごめんなさい。
びっくりした?
私の両親は悲しんでいる?
本当にごめんね。ただどうしても確かめたかったの。
人は死んだらどうなるのかを。
だって、人間は死んだら必ず無にならなきゃ、
おかしいでしょう?
死後の世界があるなら、私達は何のために生まれてきて、何のために死ぬの。
だから、試してみることにしたのよ。
死んじゃったから、証明は出来ないけどね。
だから、悲しんだりしなくても良いのよ。
別に生きてることに不満があったわけじゃないし、
ただの実験だから。
でも、両親には言わないで。悲しむから。
こんな、くだらない理由で死んだなんて恥ずかしいでしょう?
だからお願い。黙っていて。
勝手なことばかり言ってごめんなさい。
○○は元気でいてね。
じゃあ、もうそろそろ行くわ。
バイバイ。
彼女の遺書を読み終えた私は、ぼんやりと
数年前に起きた事件を思い返していました。
中学生が同様な理由で自殺をしてしまったあの事件を。
正直なところ
いまでも彼女の死を受け入れられません。
彼女の言いたかった事も理解できません。
そして、今私の背後に彼女の気配を感じていますが、
このことは私だけの秘密です。
もちろんあの、遺書のことも。
読んでくれてありがとうございました。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話