これは中学2年生の時に体験した話です。
当時よく遊んでいた友達2人と、ゲームセンターで遊んでいました。
夜の12時が過ぎ、明日も学校があるので帰ろうという事になり、自分と1人の友達が自転車で2人乗りをし、もう1人の友達が1人で自転車に乗り、帰ることにしました。
自分は自転車をこぎ、友達を後ろに乗せてもう1人の友達の家まで送る事になりました。
その友達の家の近くには地元でも霊が出ると有名な坂があり、どうしてもそこを通らないと帰る事が出来ません。
おまけに田舎という事もあり、街灯も少なく、車も滅多に通らないので夜になると薄気味悪い感じです。
怖いね〜、なんて言いながらもその坂を越え、無事に友達を送りました。そしてその帰り、今度は自分が後ろに乗り、友達が自転車をこぐ事になりました。
霊が出るという坂を登り始めた位に、道路の反対側から下駄を引きずるような音が微かに聴こえました。
友達に何か聴こえなかった?と確認すると、怖いからそんな事言うなと笑いながら言われました。
気のせいかなと思い、道路の反対側に目を向けたら、電柱の横に白いゴミ袋の様なモヤモヤとしたものがありました。
電柱にゴミ袋が縛り付けてあるのかと思ったのですが、目をこらして見てみると白い着物の様な物を着た女の人でした。
自分はあまりの怖さに声を上げる事も出来ず、ただ目を背ける事しか出来ませんでした。
友達は全く気付いておらず、自転車をこいでいました。
丁度、坂の頂上付近に差し掛かった頃、背後に気配を感じ、咄嗟に振り返ってしまいました。
すると自分が乗っている荷台を、ガッチリと掴んでいる右手が見えました。
ほんの一瞬で、背筋が凍りつきました。自転車から飛び降り、友達に何かいる!と叫びながら走りました。
友達もその右手を見たらしく、ものすごいスピードで坂を下りました。
坂を過ぎ、また2人乗りをして、急いで帰る事にしましたがその自転車が窃盗の自転車という事もあり、(友達が窃チャしてきました)家の近くの橋から、下の川に投げ捨てて帰る事にしました。
その友達の家から自分の家までは歩いて10分も掛からない距離なので、橋からお互いの家まで歩いて帰る事にしました。
そして次の日、学校に行く際、友達を迎えに行く途中、歩いていると昨日自転車を投げ捨てた橋から、一本の水の跡がありました。
雨も降ってないのに不思議だなと思いましたが、あまり気にせず歩いていると、その水の跡が友達の家に続いている事に気付いたのです。
急いで友達の家に行くと、玄関の前に昨日橋の上から投げ捨てたはずの自転車が水を滴らせ、横たわっていました。
ビックリしてすぐに友達を呼び、2人で確認すると丁度右手が掴んでいた辺りに赤い血の様な跡がハッキリとありました。
本当に怖くなり友達の母親に全て説明して、自転車と一緒にお祓いをしてもらうことになりました。
お祓いをしてもらう時に、お祓い師の人にあんた達、凄いものに憑かれてるよ!と言われ、ビビりながらもお祓いをしてもらいました。
こんな事があってから時々、霊らしきモノを見るようになってしまいました。
お祓い師の方からは、かなり強い恨みを持った女の霊が憑いていると言われましたが、その時は怖すぎてよく覚えていません。
別の話はまた機会があれば投稿させて頂きます。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
怖い話投稿:ホラーテラー 高菜さん
作者怖話