あれは私が小学生の頃だったかな、当時貧しかった(今もだが)我が家。
食べ盛りの私は毎日のようにお腹を空かせていました。
ある時、学校帰りにお地蔵さんの前を通ると、団子に落雁、果物などが供えてありました。
思わず唾を飲む私。
悪い事だとは理解していました。
しかし、腹ぺこの私が悪魔の囁きに屈するのは時間の問題でした。
周囲に誰もいないのを確認し、取り憑かれたように御供物をむさぼる私。暑い時期だったせいか、多少すっぱい臭いがしましたが、そんなのはどうでもいいことでした。
罪悪感はありましたが、「お地蔵さんはお腹いっぱいだから、代わりに僕が食べてあげたんだ」
と思い込む事に決めたのでした。
その日の夜、私は原因不明の吐き気と下痢に襲われ、一昼夜もがき苦しみぬきました。
我が家ではこれを「地蔵の呪い」と呼んでます。
怖い話投稿:ホラーテラー ハウルの動くまげろたかしさん
作者怖話