看護学生だった頃の話。
当時、30人弱のクラスで授業を受けていた。授業中、私語は許されない。休憩時間に、一人の級友が泣き出した。
「亡くなったA君が、ずっと教室の後ろの席に座ってた…。」
3人の学生が、A君の存在に気がついていた。
地域の中核病院に併設されているうちの看護学校は、実習の際、歩いてすぐの病院でお世話になる。
容姿も性格もいい高校生のA君は、実習生の人気者だった。キツい実習の中で、患者さんではあるけど、弟もしくは友達みたいに。
友達も、男女問わず多いと聞いていた。
大好きな学校に行けず、長期入院していたA君が、
「あいつら、ちゃんと勉強しとんかい。」
まだまだ頼りない、看護師卵の授業参観に、ふらりと立ち寄ったのかもしれない。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話