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中編4
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他県の大学に通ってた頃のある日、アーケード街を歩いた。休日で人通りが多かった。

目的の店まで歩いていると正面から早歩きで私とは反対方向に歩いてくる人が、スレ違いに私と肩がぶつかった。

というよりはぶつけてきたという感じでした。

勢いをつけてあり肩があたった時に、更に力で押されたからです。

後ろにのけぞるようになった私は周囲を見渡すと、ぶつかるような狭い場所や状況ではないので驚きました。

相手は私に謝らず足早に雑踏の中に消えていきました。

見たのは後ろ姿でフード付きのコートを着てフードを被っていたのでよくわかりませんでした。

しかしとても嫌な気分の1日となりました。

翌月、私はレンタルビデオ店に寄った帰り歩いていると正面から1人足早に歩いてくる人が目についた。

まだ冬でもなく寒くないのに真冬のようなフード付きのコートを着てフードをかぶり真っ黒のサングラスをかけて口元はマスクで覆い、首にはマフラーをして手には手袋。

全くと言っていいほどに肌の露出がないので誰なのか性別さえもわからないので不気味に感じました。

人通りが少なく昼間でしたが、その道は私とその人だけでした。

2人並んで歩いても大丈夫な道幅で相手とスレ違いにぶつからないようにも気をつけた。

しかし相手はそれでも狙い定めたようにぶつかってきた。

そのぶつかり方と無言で去っていく態度は先月に街でぶつかった人だと思った。

怒りで呼びかけたが無視するので意を決して走って相手に近づき肩を掴む。

それでも無言で振り切るので背中から跳び蹴りをしました。

相手が前に倒れたのでサングラスを奪って相手を無言で睨みつけた。

嗄れた中年の女性だったので驚いた。

背丈があって男物の服だったので若い奴かと思い込んでた。しばし沈黙で睨んでいると何かおかしい。相手の目が全くまばたきをしない。

両目とも作り物でガラス製?の目玉だった。

よくこれで1人で普通に歩いてるなと思い、文句を言わずに『大丈夫ですか?すいませんでした!!』と謝りながら起こした。

すると前方の少し遠い所から友人が私に手を振っているのに気がついた。

『どうした?』と友人に聞こえるよう大きな声で言うが返事をしない。

『ちょっとすみません』と女性に一声かけて友人のもとに駆け寄った。

すると友人は『関わらない方がいいから行こう』と言いました。

罪悪感があった私は女性の方を振り返ると女性はサングラスを道に残したまま去っていきました。

私もあえて戻ることはしませんでした。夏休みの間は地元に帰省してアルバイトをしていた。

その間だけ何故かドアノブや階段の手すりなど触ると静電気で痛い思いをした。夕方友達と遊んでいると占い師が路上で営業していた。

その前を通り過ぎると『ちょっと待ちなさい』と声をかけられた。

『えっ?俺達ですか?』

と言うと私に向かって『君ここに座りなさい』

占い料に目をやると三千円。

値段が高いうえに占いを信じてなかったので『結構です』と断ると『決して占いではないから安心しなさい』と言う。

友達がゲーセンで待つと去ったので椅子に座った。

すると占い師が『あなた大学生?』

『はい』と答えると『変なこと言うようだけど、あなたの背後が黒いの』

『もしよくない荷物が届いたらお寺にすぐ持っていきなさい、そして背中にマーキングをされているからお祓いを頼みなさい』と言われた。そして私の言おうとする質問を察するように『深いことは何も聞かないで。考えても仕方ないことが世の中にはあるの。言うとおりにすれば大丈夫だから』

私は占い師の親切心に占いとは関係なく謝礼を払おうとしたが、占いではないからと受け取らなかった。

その占い師が言うには占いでわかるのは占う人の過去から現在の状況と性格ぐらいで未来のことは実はわからないと言ってました。

休みも終わり地元を離れ、アパートに着いてポストを見ると小包が入っていた。何も書いてなかったので郵便ではなく、誰かが直接入れたことになる。

捨てようとしたが中身を見てからにしようと包装をとった。宝石を入れるような高級そうな箱を開けると作り物の目玉が2個入っていた。

背筋が凍った。

誰の仕業かはわかる。開けたことを凄く後悔した。

慌てて友人に連絡してお寺へ連れて行ってもらった。

お寺の人からは『もう大丈夫ですよ。今日のことは忘れて帰りなさい。もし同じ人に会っても動揺したり自分から声をかけたりしないように。もし声をかけたらその後は保証はできませんよ』と言われた。

それから卒業間近になって再びあの女性を見かけた。

またサングラスをかけていた。

目玉はつけているのだろうか?そう思ったら怖くなり足がすくみ端でそっと立ち止まり通過するのを待った。

女性は私の存在に気づかず素通りしていった。

それが最後に見かけた姿でした。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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