俺が小学校1年の時、父が体験した話です。
ある日の晩のこと…
俺達家族は、いつもの様に布団3つ引いて左から父・母・俺と言う順で「川の字」の状態で寝ていました。
それは深夜3時位だったといいます。
突然、体を揺さぶられた父は、「地震か?」と思い飛び起きました。
しかし、全く揺れて居なかったので「夢でも見たのかな…?」と思い、再び床へ就こうとしたその時…
「〇〇(父の名前)…〇〇ー…起きろ~…大変じゃあ~…起きろ~」と部屋の中から声が聞こえてきたと言います。
そして…
「△△(俺の名前)が危ない…△△が危ない…」と、その姿なき者は言ったそうです。
父はその声に聞き覚えがありました。
ですが、「△△が危ない」と言われたので、すぐさま俺の元へ駆け寄ると、俺の異変に気付いたそうです。
部屋の灯りを点けると、俺は「はぁ…はぁ…」と苦しそうな表情をしていて、体中が汗まみれだったそうです。
父はすぐに母を起こし、俺の体温を計ると「41.7℃」もの熱がありました。
両親はすぐさま俺を病院へ運び、強めの解熱剤と点滴をし事なきを得たそうです。
医者の診断は「3日麻疹(はしか)」でした。ただし、発見が早かったため大事には至らなかったそうです。
この麻疹は怖い病気で「高熱」を伴うため中には、脳障害を起こす人もいるそうです。
父は後で、「その夜の出来事」を話してくれました。
「あの時、俺を起こしてくれたあの声な……俺の兄さんの声だったよ…」と…
父は東北の田舎で育ちました。父の兄は 父が幼い頃、ある事故で亡くなったそうです。
当然、私は父のお兄さんとは面識なんかありませんでした。
父は「弟思いの良い兄だった…」と涙ながらに言っていました。
その年の夏、父の実家へ行き、家族でお兄さんの墓参りをしました。
終わりです。
読んでくれてアリガトウ。
怖い話投稿:ホラーテラー エアコンさん
作者怖話