短編2
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白い服の女の子

コピペにて失礼します。

私が個人的に、1番心に残ったお話です。

当時、私は精神的に荒んでいて、よく大型バイクをかっ飛ばしたりしていました。

その日もバイクで走っていたのですが、広めの幹線道路は渋滞していました。

そこで、道の左端をすり抜けて進みました。

それなりに運転技術もありましたし、どうなってもいいや、という部分があったので…危険だと知りながら、それなりのスピードが出ていました。

そして、渋滞している車が途切れている所へ来た時に、対向車線からファミレスに右折する車に右側から当てられたのです。

車も急いで右折してスピードがあった為、かなりの衝撃でした

今にして思えば、一瞬のことでしたが…妙なスローモーションを見ている様な感じで、バイクに乗ったまま、私は電柱が正面に迫ってくるのが見えました。

その時、何か白いものが横から飛びかかってきて、私はそれに抱きつかれる様な感じでバイクから落ちて、道の脇にある歩道に転がりました。

転がるのが止まって、歩道に仰向けになっていると、その白いものは私の体から離れました…

それは、白い服を着た女の子でした。

その女の子は、ふぅ、とため息をひとつつくと、「あぶなかったね」と微笑みました。

そしてスッと消えました。

…私があまりの事に呆然としていると、肩を軽く叩かれ、耳元で「あまり無茶をしちゃダメよ」という声がしました。

でも、振り返っても姿はなく…

そうしているうちに、ぶつかった車の人が降りてきて、救急車が来て、病院に運ばれて…。

私は、足に軽い打撲があっただけで、ほとんど無傷でした。

事故の大きさと比べると奇跡的といっていいぐらいに。

私のバイクは電信柱にぶつかり、グチャグチャに壊れていました。

後に警察に事情聴取に行った時、警官が「よく、バイクから飛び降りられたな、そのまま突っ込んで悲惨なことが多いんだが…」と。

私は、飛びついてきた、白い服の女の子を知っていました…。

その事故の三年ぐらい前に交通事故で亡くなった、私の婚約者だったのです…。

病院で息を引き取る時の最後の言葉…「愛している、ずっと見守ってる…」その事が鮮明に思い出されました。

実際のところ、私が見たのは幻覚なのかもしれません。

でも、事故の時に来ていた皮のジャケットが警察から戻ってきた時、歩道と擦れて毛羽立ってしまった傷だらけになった背中の部分に、細い腕と小さい手の形で無傷の部分がくっきりと残っていました。

彼女を失って、自暴自棄になっていたのが続いていたのですが…この事故があってから、ちゃんと前向きに生きなければ…と。

怖い話投稿:ホラーテラー 霊南坂さん  

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