あれは、今から約20年前の16歳の時、
定時制高校を中退し、悪友達と毎夜遊びほうけていた夏の日、
父親にかんどうされ、
『何でもいいから 寮付きの仕事を探して 大阪から出て行け、家には帰って来なくていいから』
と言われフジワークと言う会社に面接に行き、父親の希望通り遠い茨城県の岩井市にある日本ビクターに、後日から派遣従業員として働く事になりました。
フジワークの人の案内で、寮に住む事になったのですが、来て見てビックリ
3DKの綺麗な二階建てのコーポでした。
2人1部屋で私を入れて5人で快適な日々を過ごしていたのですが、
ある日、相部屋の人が壁に自分が書いたという似顔絵の紙を10枚位順番に貼りだしました。
上手な絵だったので、見とれていると…
一枚だけ 強烈に嫌な気を感じる絵を 貼り出したので…私は直ぐに、その絵だけは貼らんといてや
と言ったのですが、彼も頑固な大阪人、私の願いは聞いて貰えませんでした。
絵のせいかどうかは判りませんが、それから変な事がおこり始めました。
このコーポのトイレの照明スイッチはダイヤル式で、最後まで回すと1時間は、照明がついているはずなのですが、相部屋の人がいつもの様に例の本を持って、トイレに行ったのですが、何分かすると、私の所に怒って来ました。
話しによると、ダイヤルをいっぱい回してからトイレに入ったのに、電気が突然切れた!!『 お前がやったんやろ』
と、突然捲し立ててきたので身に覚えのない事で怒られた私も、かまえた物の言い方になり喧嘩になりました。
まさか、これが霊現象の始まりとは思いもしてませんでした。
そして、いつもの様に仕事に行き、昼休みの時です、日本ビクターの正門から走れば40秒位の所にコーポがあるので、走って帰り、昼飯を食べてる内に…
何故かその日は仕事に行きたくなくなり
仮病を使って早退しようと決めた私は、前にイチビって買っておいたウイスキーを一気飲みして、猛ダッシュで仕事場迄走り、日本ビクターの班長の所迄行くと簡単に『お前、顔色悪いぞ大丈夫か?今日は早退していいから帰れ』
と言われ、ラッキーと思いながらも酒がバレたらマズイので、すぐに寮に帰り、何故か全ての部屋の窓のカギとカーテンを閉めました そして1人きりになった私は例の本を持ってトイレに行き、下半身にいる蛇と格闘していました。
暫くすると、蛇は『シャ〜と鳴き白いヨダレ出してました。
勝ち誇らしげに私は後処理を済まそうと、トイレの水を流した瞬間………………
確かに奥の部屋からスリッパをはいた足音が、
パタパタパタパタパタパタと走って来ます
その足音はパタパタパタパタパタパタと走って来るとトイレのドアの前でピタ〜と、止まり、確かにドアの向こう側に何かの気配を感じていた私は言う迄もなく青ざめていたと思います。怖いし、ドアの向こう側が気になるしで、トイレから出れなくなりました。
何十分か過ぎ勇気を振り絞りトイレから急いで出て、すぐ隣にある玄関からカギを開け猛ダッシュで外に逃げました。
出る時に見たのですが、スリッパは私が帰って来た時と同じように、玄関に揃えて置いてありました。
他の同居人も同じ意見でこのコーポは何かヤバいと特にキッチンでよく出るとの話しでした。
気になる人は、是非行って体験して見て下さい。
場所は日本ビクターの正門を背にした場合、左に曲がり、細い路地を1本こえ2本目の路地を入って直ぐ右手にある二階建てのコーポの一階、左手のドアです。今でも当時のままで外から中の様子がカーテンの隙間から覗けます。
ちなみに、当時の私の部屋には酒井法子のポスターが貼ってあります。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名 日本ビクターさん
作者怖話