僕は小学生のとき、クラスでひな祭りの話で、皆がすごく盛り上がっていた思い出があります。
僕は男ですからひな祭りなんて、興味なく、ただ聞いていただけで、あまり楽しくない話でした。
学校が終わり、くたくたになって、帰ってくると、畳部屋に、雛人形が飾ってありました。
そういえば今日はひな祭りだなと思って、その場を後にすると、廊下で、2つ年下の妹に、今日は雛祭りだって知ってる?と言われ、さっき人形見たし知ってるよと言いました。
妹はやたらと雛人形に気に入っていたようで、10分も人形が飾ってある部屋から離れようと、しませんでした。
夕食のとき、まだ離れないでいた妹に、さすがに見すぎだと思って、「おい、夕食だって言ってるだろ!いつまでそんな人形見ているんだ。
」と、怒り口調で言うと、妹はなぜか真剣な眼差しで、「お兄ちゃん、人形からなにか匂わない?」言いました。
僕は笑いながらそんなはずないだろと言い、妹を人形からはなしました。
しかし僕はかすかに匂っていた事は分かっていました。
僕は久しぶりに出した人形だから、ほこりの臭いだろうと思い、あまり気にかけていませんでした。
第一人形には興味がないので、どうでもいいという気持ちがあったので、臭いがするのは当たり前だと思いました。
僕は夕食を食べた後、風呂にすぐ入り、疲れたからもう寝ると言い、先に布団の中に入りました。
僕は深夜の3時に目が覚めました。
少し早く寝すぎたかなと思い、水でも飲もうと、一階に行き、冷蔵庫にあった、水をがぶ飲みしました。
すると奥から変なにおいがしました。
なにかなと思い、いってみた所、どうやら雛人形から臭ってくるようでした。
ああ、夕食の前から臭っていた、あの匂いかと思いました。
でも何か違うとおもいました。
よく観察してみると、どうやら臭いは人形からするものではないと分かりました。
じゃあどこからするのかと思い、いろんな所を調べると、ひな壇の奥からするのだと分かり、ひな壇の奥を調べました。
ひな壇に螺子があったので、緩めて外してみたところ、小さな紙袋がありました。
しかもその紙袋は、だいぶ前のものなのか、黒くなっていました。
何が入っているのかと思いあけてみると。
黒い紐のようなものがたくさんありました。
なにかと思い、よく目をこすって見ると、紙袋から出てきたものは、髪の毛でした。
しかもただの髪ではなく、ところどころに赤いしみがついていて、何かなと調べると、その赤いしみは間違いなく、血でした。
僕は気味が悪くなり、二階に上がりました。
そしてずっと目をつぶっていました。
翌朝、僕は高熱を出しました。
ものすごく苦しくて、薬を飲むのがやっとでした。
何か背中に違和感があると思い、服を脱いで見ると、あの昨日見た無数の髪の毛がありました。
僕は気を失いました。
熱もおさまり、学校に行くと、いつもの様に、雛祭りの話で、いっぱいでした。
ふと、友達の話を聞いてみることにしました。
何故聞いてみることにしたのかは、自分でも分かりません。
友達が話した内容は、男子だからといって、雛人形を馬鹿にすると、雛人形に仕返しされるという内容でした。
僕はその話を聞いてすぐ分かりました。
僕が高熱を出したのも、背中に無数の髪の毛が入ってあったのも、雛人形を馬鹿にした人形からの仕返しなのだということを・・・・
怖い話投稿:ホラーテラー A・Sさん
作者怖話