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短編2
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笑い声

以前、『母親だけが』というお話を投稿させていただいた者です。

以前住んでいた社宅から一軒家へ引っ越してすぐに、私は就職の為に一人暮らしを始めました。

何年かぶりに実家に帰り、今現在は実家で暮らしています。

実家で暮らし始めてから家族のものとは違う声がよく聞こえるようになりました。

それも聞こえるのは私にだけ。

他の家族には全く聞こえてないし、何かの姿が見えるわけでもないので特に気にする事なく毎日を過ごしていました。

そんなある日のこと、次の日の仕事に備えて早く寝ようとベットでウトウトしていると、廊下を挟んだ向かい側の兄の部屋から笑い声がしました。

毎晩のようにゲームをしては一人で大笑いをしていた兄ですが、その日は別の男の声も聞こえました。

笑い声なんですが、なんていうか、気持ちが悪いんです。

よく、テレビの心霊番組とかで流れるような狂った笑い声があると思うのですが、まさにその笑い声。

でも兄の友達が遊びに来ているのだと思い、うるさいと思いながらも眠気には勝てずその日は寝ました。

翌朝、玄関には家族以外の靴もなく、いつの間に帰ったのかと思いながらも会社へ向かいました。

そしてその日の夜、また聞こえました。

ただの笑い声であれば、それほど気にせず寝てしまうのですが、上に記した通りの笑い声。

さすがに不快です。

その日も毛布を頭から被りながら寝ました。

さすがにこんな事が二日も続くとイライラが募ります。

次の日の夜は兄に直接文句を言いました。

「夜、笑い声がうるさくて眠れないんだけど。」

「はっ?」

「気持ち悪い笑い声の友達連れてこないでよ。」

兄はキョトンとするばかりです。

「俺、その日友達連れてきてないけど。」

そんなはずはありません。私はその笑い声のせいで寝不足にまでなったんですから。

「だって気持ち悪い笑い声がずっと聞こえてたんだよ!」

身に覚えがないことで怒られたからか、兄は少し不機嫌になりました。

その様子をみて私もそれ以上の追求はやめました。

そしてその日、笑い声は聞こえませんでした。

翌日の夜、兄が私の部屋を訪ねてきました。

「なぁ。昨日の話ホントなのか?」

「笑い声の事?」

「そう。今日俺の友達にも確認したけどやっぱり誰も来てないんだよ。」

そう言った兄は少し強張った顔をしていました。

「テレビの音とかじゃねぇの?第一俺の友達にそんな笑い方するやついないし」

そう言われて私はハッとしました。あれはテレビの音じゃない。

確かにすぐ近くから聞こえました。

兄の部屋からじゃない。毛布を被ってもすぐ側からそれは聞こえていたんです。

今でも実家にいますが、特になにもなく暮らしています。

ただ、部屋に盛り塩を置くようにしました。

怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん  

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