既出だったらすみません。
僕の会社の近くには花屋がある。
最近出来たみたいで、つい最近まで、花屋の存在を知らなかった。
その花屋に一度入ったとき、僕は驚いた事がある。
「店員の女の子。可愛いな。」
そう思った次の日から、僕は毎日その花屋の前を通っている。
「おはよう」
と声をかけると、彼女も
「おはよう。今日も頑張って」
と返してくれる。
そんな彼女に僕は惹かれていった。
そして僕は決意した。今日の残業後彼女を食事に誘って見ようと。
花屋によって見ると、花屋は閉店していた。僕は彼女がいないか硝子ごしに彼女を探した。
数分しても彼女は出て来なかったので、僕が諦めて帰ろうとすると、不意に後ろから声がした。
「あ、あのう…」
後ろを振り向くと、そこには青ざめた様子の彼女がいた。どうやら僕を挙動不審だと思ったらしい。
慌てた僕は、思い付きで、
「ずっと見てました。」
と言うと、彼女はさらに青ざめた様子で
「ずっとですか?…」
と聞き返す。
僕が頷くやいなや彼女は僕を花屋の奥へ連れ込んだ。
次の日。僕は彼女と一緒に車に乗っていた。
彼女との最初で最後のドライブだ。元々食事の予定だったのでドライブと来ると万々歳だと思う。
彼女は煙草を吸いながら、
「どうして?なんでこうなったの?」
と僕に笑いかけた。
僕は
「さあ」
と曖昧に返事をする。
行き先は彼女にしかわからない。彼女は僕を何処へ連れて行くのだろう?
運転席には彼女。助手席には僕。そして後部座席には、知らないオッさんが寝ていた。
オッさんには深い刺し傷が有り、座席には血がついていた。恐らく彼女がつけた傷だ。オッさんはピクリとも動かない。
どうやら彼女は勘違いしたらしい。僕の
「ずっと見てました。」
という台詞を。
間もなく車は見覚えの無い山奥に入り、停車した。
「貴方の事気になってたんだけど、仕方ないね…見てたんだから……………」
次の瞬間、僕の腹にオッさんと同じような傷がついた。
怖い話投稿:ホラーテラー 初コメハンターさん
作者怖話