俺が高校生だった頃の話。
当時、俺は柔道部に所属していた。
段位は弐段。
150kgのバーベルを持ち上げる事も出来るくらい鍛えていた。
そんな俺にはライバルであり、仲間であり、親友と呼べる奴がいた。
ある日、そいつと俺は足腰を強化する為に校庭で走行訓練を行っていた。
そして走り終わり、校庭の隅で休憩している時、背中に強い衝撃を感じた。
振り返ると、そこには巨大な楔(くさび)を持った友が居た。
友の手に握られた楔は校庭で使うロープを固定する為の物で太さ2cm、長さ30cmで先の尖った鉄製のシロモノだ。
どうやら友は、そいつを俺の背中に突き立てたらしい。
俺は友に「何をしているんだ?」と聞いた。
友は「う~ん、痛いかなぁ、と思って」と答えた。
俺の背中に何か生暖かい物が流れる感触がする。
どうやら出血したようだ。
俺が「痛くはないが、血が出たぞ」と言うと「う~ん、血が出ただけかぁ」と友は言う。
「いいから、楔を元に戻せ」
そう言うと友はつまらなさそうに楔を元の場所に戻す為に振り返った。
その時だった。
俺は友の将来の為に何か御仕置きをしなくてはならない、と思った。
俺だったから良かったが、これが一般人相手だったら大事だ。
悪い事をしたのだと躾けなければならない。
その頃、俺は対人用として「必殺」と言える技の開発をしていた。
ボクシングの「カエル飛びアッパー」を知っているだろうか?
低い体勢から全身のバネを使い、下から上に一気に拳を突き上げる技だ。
あれを浣腸でやる。
しかも両手の人差し指と中指の計4本の指を使う。
ただでさえ危険な、その技を鍛え上げられた肉体を持つ俺がやると洒落では済まない威力を発揮する。
正に「必殺技」
名を「四指死天昇」と言う。
楔を元の場所に差し込んでいる友の背後に素早く近づき俺は「四指死天昇」を炸裂させた。
肛門とは実に脆いものだ。
中指の第二関節までキレイにめりこんだ。
それと同時に肉が裂ける感触も伝わる。
友は何も言わず、その場で前のめりに崩れ落ちた。
衝撃のあまりに一瞬で落ちたのだ。
そして痙攣していた。
友は救急車で病院に搬送され、緊急手術となった。
その後、俺と友は教員や親に度重なる尋問並びに説教をされる事になった訳だが俺も友も「俺とあいつは親友だ。何も問題はない」と言い通した。
後遺症で友は便を排出する度に激痛に襲われる症状が1年間続いた。
友は自分にこれほどのダメージを与える俺を尊敬していると言う。
俺もまた、肛門の激痛に耐える友を尊敬している。
そんな昔話を職場の同僚に話すと必ずキチガイ扱いされる。
怖い話投稿:ホラーテラー 匿名さん
作者怖話