(その生き霊達を今すぐ探して消滅させてほしい!!決して生き霊を乗っ取るのではなく、消滅だけ。そしたら鍵を渡す)何度も強くイメージすると目の前から消え去りました。
すると緊張の糸が切れて私は日が暮れた薄暗い台所で吐きだします。
うがいを済ませると私は休む間もなく、みなきの父親の元へ急ぎます。
友希乃は臭いのあとを追って走ってたどり着いたのは家から1km程離れた場所にある廃墟でした。
身が軽く、運動神経のいい友希乃は金網を乗り越えて敷地に潜入します。
すると建物の二階から声がしてきました。
足音がしないようにそっと見つからない程度の距離まで近づきます。
薄暗い中、一人の女の子が手足をロープで縛られ目隠しされて倒れている姿と男二人に女一人の姿をなんとか確認できました。
これ以上日が落ちると何も真っ暗で何も見えなくなります。一人の男が「おいなんかヤバいのがきたぞ!!」と言うと、もう一人の男が「俺達の生き霊だけは体内に入れろ。隠れて様子を見るんだ」と指示しています。
三人が女の子から遠ざかるように三階へ駆け上った隙に、友希乃は女の子のロープと目隠しをとると声を出さないように仕草で伝えると二人で外へ逃げ出しました。
友希乃は女の子を連れて家の前に着くと玄関先で僧侶が待っています。
「どこに行ってたのですか友希乃さん!」と心配する僧侶に「なんかこの子が危なかったんだよ!!」と興奮した様子に少し落ち着かながら話を聞きました。
霊が通った時に独特の臭いがするらしく友希乃はその臭いを嗅ぎとれる変わった能力を持っています。
開いていた窓から風向きが変わったのか今でに嗅いだことのない強烈な臭いがしたので、後で僧侶になんとかしてもらおうと思い立ち、臭いの元を特定しに出かました。
そしてあの現場に遭遇したのです。
友希乃の天性の能力に驚きながらも、僧侶は助けてきた女の子に声をかけました。
「もう大丈夫だから。君の名前は?」
「……〇〇みなきです」
首にかけられた古びたチェーンが気になった僧侶は「みなきさん、首にしているのは何ですか?」と尋ねるとみなきは服の中に入った鍵を出して見せました。
「これは!!あの箱の鍵。これをどこで?」
「川でみつけたの」「そうですか…」とと話しかけている途中で背後で「みなき!!」と大声で叫ぶ声がします。
「パパー!!」と駆け出します。
見るとタクシーから降りる一人の男が娘を抱きかかえます。→10
怖い話投稿:ホラーテラー シルキーデイさん
作者怖話