俺が社会に出て、初めて一人暮らしをしたときの事…
いつもの様に仕事を終え、夕飯を済ましテレビを観ながらくつろいでいたら、突然部屋の電気が点滅しだした。
なあんだ?電球切れたか?と思っていると、今度はテレビが砂嵐に…
俺が恐怖に包まれたまさにその時!
部屋の明かりはすっかり消えてしまい、更なる恐怖が全身を包んだ。
暫くの間、恐怖に苛まれ身動きできずにいた。
徐々に目が暗闇に慣れていくと、微かな月明かりが部屋を照らした!
それと同時に、窓際に立つ黒い人影が見えた…
それは、徐々に俺に近づいてくる…
そして目の前にそれが来たとき俺は見てしまった!
髪が半分以上抜け落ち、鋭い眼差しでこちらを睨んでたソイツは、ゆっくりと俺の首へ手を伸ばしてくる…
ヤバイ!殺される!
そう直感した俺は、ソイツの腕を振り払おうと必死に自分の腕を振るった!
すると…
「ボコッ!」
なんと、無駄な抵抗に思われた俺の手がソイツの腕を直撃!
咄嗟に俺の頭は「コイツ殴れる!」とある意味、理解不能な 回答を出した!
そして「ヤられる前にヤったれ!」と奇妙な思考まで出だした!
それからは無我夢中で、パンチやらキックを繰り出した!
ソイツは動きが鈍いのか、俺の攻撃を全て受け床に倒れ込んだ…
しかし、すぐさま立ち上がってきたので俺は「まだやるか?コノヤロウ!」と震える声でソイツに言い放つと、ソイツは「チッ!」と言いながら窓の方へ移動し、そのまま消えていった!
それと同時に、部屋の電気は点きテレビも何事もなかったかのようにニュースがやっていた…
俺は「勝った…」と思いながらも、腰が抜けてしまい、全身汗まみれになっていた…
その夜以降、ソイツが出ることは二度と無かった…
あれは一体何だったんだろう…と、今でも不思議でなりません…
読んでくれてありがとう。
怖い話投稿:ホラーテラー エアコンさん
作者怖話