昔通っていた学校の先生に聞いた話です。
ハワイのある島(名前は忘れてしまいました)には暗くなってから森に入ってはいけないという言い伝えがあるそうです。
その理由は霊に連れて行かれるから。
それは昔から言われているらしく、こんな話があります。
ある青年が森に狩りをしに入りました。もちろん青年はその島の出身で言い伝えは知っています。暗くなる前に森を出るつもりだったのです。
しかし、狩りに夢中になって気がつくと森の奥まで来てしまい、暗くなる前に森から出られなくなってしまいました。
仕方なく野宿をすることになり、やがて夜になりました。
青年が焚き火をしていると、どこからかひそひそと声が聞こえてきました。
その声は火が消えそうになると近づいてきて、火が大きくなると離れていきます。そして、青年の周りをぐるぐると回っています。
青年は、「あぁこれが言い伝えに聞く霊だ」と気がついたのですが、1人で暗い森にいる恐怖を煽る事になりました。
青年は怖かったのですが、霊は火を嫌うという言い伝えを思い出し、火が消えないよう木の枝をくべながら一晩中眠らなかったそうです。
朝になり無事に森を出た青年は、周囲の人に昨夜の出来事を話しました。
みんなは言い伝えは知っていましたが、なかなか信じることはできませんでした。
しかし、青年は普段嘘をいうような人ではなかったのです。
この言い伝えを迷信だと思ったのか、島の人達が止めるのも聞かずドイツ人留学生達が森にキャンプに入ったそうです。
しかし、いつまでも帰ってこないのを心配した島の人達が森へ行ってみると、キャンプの道具留学生達の荷物、焚き火の跡はあっても当の本人達がいません。
小さな島なので島を出入りする時は船を使うのですが、誰もその姿を見ていなかったそうです。
結局、留学生達が見つかる事はありませんでした。
怖い話投稿:ホラーテラー カチョカバロさん
作者怖話