短編2
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真実

「.....!!」

男は突然、まとわりつくような視線を感じた。

体のすみからすみまで、ありとあらゆる方向から視線がささってくる。

(何だ!?...気持ち悪!!)

それは、彼がいつものように仕事をしているとき、昼食を近くの定食屋で食べているとき、仲間と飲み会に行ったとき、そして、今、まさにこの瞬間。

(何なんだ一体!!?)

彼の精神は、限界にきた。

「おい!誰なんだ!いい加減にしろ!!。」

彼は、得体の知れない視線の正体にむかって叫んだ。

「どこからみてるんだ!!。」

一心不乱にあたりを捜す彼。

「何で見つからないんだよ!!!。」

彼がそう叫んでいる間にも、とぎれることなく視線は注がれている。

「あああああああ!!、.......ん?。.......!!?、誰だお前!!。」

彼は、視線の正体を見つけた。

「おい!!、誰だ、お前!!。」

.......。

「おい!、お前だよ、そこのお前!。」

.......。

「きずいてんだろ!!、おい!。」

.........ほら。

あなたですよ。あなた。

これを読んでるあなた。

彼は、きずいてしまったようですよ。

私たちのこと。

彼の住む世界は、本当であって、本当じゃない。

私たちにとっては、空想の世界。

でも、彼の住む世界は、彼にとって本当の世界。私たちには、たどり着くことの出来ない世界で彼は生きてきたのです。

でも、彼とあなたは繋げてしまった。

この世界と、彼の世界を。

どうします。

この話を消して、彼の世界との繋がりを絶ちますか。

信じられないって?。

あなたはわかってないだけ。分かろうとしても、絶対にわからない。

ほら、彼はまだ叫んでますよ。

「おい!、答えろ!!どうなってんだ!。」

彼に何て言うんですか。

お前の住む世界は作り物だ!!。

なんて、いったら彼はどうなるでしょう。

彼らの世界は、終わってしまう。

知ってはならない、真実を知ることによって。

「なんだ....どういうことだ.....」

ありゃ、聞かれてしまったようです。

彼は真実を知ってしまった。

もう、彼の世界は終わり。

.....他人事みたいな顔してますね。

あなたの世界も例外ではありません。

もし、あなたが真実にきずいてしまったら、

.......もう、きずいている人が居るようです。

あなたの居る世界の真実に。

この世界に終わりがくるのは、案外近いかもしれません。

怖い話投稿:ホラーテラー 青二才さん  

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